銀山と益田氏ゆかりの逸品が東京博物館で展示へ

「白茶地桐竹模様綾小袖」
 世界遺産・石見銀山遺跡と、中世石見を代表する豪族・益田氏ゆかりの染織工芸の逸品が24日から7月20日まで、東京・上野公園の東京国立博物館で展示される。いずれも国の重要文化財で、2点のそろい踏みは17年ぶり。島根県内で公開されたことはなく、同館でも今回以降の展示予定は未定のため、鑑賞の好機となる。

 「武家の服飾」をテーマにした特集陳列で、「銀杏葉雪輪散辻が花染胴服(いちょうばゆきわちらしつじがはなぞめどうふく)」と「白茶地桐竹模様綾小袖(しろちゃじきりたけもようあやこそで)」を披露する。

 いずれも同館所蔵だが、退色などを防ぐため、それぞれ数年に一度しか公開されておらず、そろいの展示は1992年の「日本と東洋の美」展以来となる。

 胴服は徳川家康のおしゃれ着で1601(慶長6)年、石見銀山の地役人・吉岡隼人(はやと)が家康から拝領。あさぎ色と白、紫を斜めに配し、雪の結晶をデザインした雪輪とイチョウの葉の模様を散らし、桃山時代らしい華やかな作品となっている。

 一方の小袖は、益田に医光寺を建立した益田家17代当主・益田宗兼が1511(永正8)年、京都の船岡山の合戦での功績により将軍・足利義稙(よしたね)より拝領。武将が着用した室町時代の小袖で完品として残る唯一のもので、日本の小袖の中で最も古い。桐(きり)と竹の和様の上品な模様が織り出されている。

 作品を保護するため、約1カ月間だけ公開する。期間中、29日と7月の6日、13日は休館。会場は同館本館特別2室。

2009年6月8日 無断転載禁止