(42)年代と肩凝りの特徴

肩凝りを予防する体操。ひじを反対側の手でつかんで真上に引き上げ、息を吐きながら体を横に倒す
高齢者は他の病気影響も

 肩凝りは、診断名ではなく、症状名の一つであり、米国には肩凝りを直接表すような単語自体がないようです。日本人だけが起こるとは考えにくいのですが、きちょうめんな国民性にもゆえんがあるかもしれません。

 肩凝りは、年代や性別、体力の度合いにかかわらず起こり、だれもが一度は経験したことがあると思います。首から背中、腕へ向かっての不快感、重圧感、はり感、痛みなどの自覚症状を主な訴えとしています。多くの場合が直接の原因は不明な原発性の肩凝りといわれ、不良姿勢や運動不足、過労、精神的な緊張により増悪します。

 年齢と肩凝りの関係はあまり知られていませんが、特徴があります。中高生などの若年者は、骨の成長が筋肉の成長より早いために生じる柔軟性低下による不良姿勢が原因となることが多いようです。

 働き盛りの年代では、デスクワークなどによる継続した不良姿勢のほか、電気配線の工事で長時間、腕を上げて作業をしている場合など、仕事上の強制的な姿勢も原因になります。ストレスによる精神的な緊張が最も高い世代でもあり、肩凝りの訴えも多いようです。

 また、高齢者の場合、いわゆる生活不活発病(加齢に伴い運動不足となり、筋力など体の機能が低下すること)を基礎として起こる不良姿勢が原因となります。解決には、筋肉のストレッチングのみでなく、体を支える腹筋や脚の力をつけることも不可欠です。

 しかし、高齢者の肩凝りのもう一つの原因を忘れてはいけません。肩の筋肉自体ではなく、首の椎間板(ついかんばん)ヘルニアや背骨の変形といった整形外科疾患、内臓器疾患、眼科、耳鼻科、歯科の病気の影響が肩に出ていることも考えられます。高齢者の肩凝りだと自分で判断せず、専門家に相談しましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年6月17日 無断転載禁止