石見銀山遺跡、今秋にも世界遺産範囲の拡大申請へ

大田市大森町の石見銀山地区の町並み。申請が認められれば、周辺の山地なども世界遺産の核心地域の範囲に含まれる(資料)
 大田市は16日、世界遺産・石見銀山遺跡の景観保全を一層進めるため、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で世界遺産に登録された地域・核心地域の範囲拡大に向けた申請書類を7月以降、島根県とともに作成し、今秋にも文化庁に提出する準備を進めていることを明らかにした。市によると、範囲拡大は国内の世界遺産としては初の試みになる。

 核心地域面積は現在の約442ヘクタールから133ヘクタール広がり、約575ヘクタールとなる。

 市の説明によると、ユネスコの諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)は2007年5月、銀山地区の町並み周辺の山地や温泉津港の周辺なども核心地域の範囲に申請するよう市に勧告。これを受け市は07、08年度、範囲拡大に向けた遺跡現地調査や文献調査などを進めてきた。

 拡大地域は▽大森銀山地区の町並み周辺の山地などの約130ヘクタール▽石見銀山街道の鞆ケ浦道と同街道温泉津沖泊道の各一部計約0・25ヘクタール▽温泉津港湾内や港の一部約2・9ヘクタール。市はこれらの地域も世界遺産に指定される価値があるとしている。

 民間業者などが核心地域内で開発をする場合は市に対する許可申請など特別な手続きが必要になるため、市は拡大対象となる地元自治会などに説明し了解を得たという。

 市は、調査結果などを踏まえて申請書類を県と共同で作成し今秋までに文化庁に提出。本年度中に国がユネスコに申請する。市によると、申請を受けての世界遺産委での審議開始は早くても10年6月以降とみられる。

 市教育委員会の大国晴雄教育部長は「範囲拡大が認められれば、景観保護の観点などから遺跡をよりよく保全することができる」と核心地域拡大の意義を説明した。

2009年6月17日 無断転載禁止