(44)手首の痛み

手首に痛みがあるとき、簡単なテーピングが動きを楽にするのに役立つ
テーピングで動き楽に

 パソコンのキーボードをたたく、はしを使う、かばんを持つなど、ほとんどの日常動作は手首を使って行われます。

 手首の構造は、指を2本横にしたスペースに小豆大の骨が8つ存在し、その表と裏には指を曲げたり、伸ばしたりする筋肉や筋が通るという複雑なものです。この構造によって、スムーズで繊細な手首の動きが保たれるのです。手首は作業中、常に小さな力が加わったままで動いている部位であり、一度痛めてしまうと、生活はたちまち不便になります。

 手首の痛みは、発生の部位によっていろいろな障害が考えられます。例えば、ひじを伸ばしたまま手を体の後ろにつくような転倒をした場合、手を力いっぱい広げて、甲側の親指の付け根に浮き出る逆V字の筋の奥が痛むときは、舟状骨(しゅうじょうこつ)の骨折が考えられます。この骨の血行は特有なため、骨がくっつかないままになることがあります。

 また、親指を手の中に握り、小指の方へ倒した場合に親指側の手首が痛むと、その部位の腱鞘炎(けんしょうえん)の可能性があります。

 ひじを90度に曲げて脇につけ、手のひらを天井に向けたり、床に向けたりして小指側の手首が痛むときは、手首のねんざのほか、小指側の前腕の骨が生まれつき長いことが原因で徐々に症状が重くなった場合が考えられます。

 手首を楽にするには簡単なテーピングが役に立ちます。手首は卵を握るように少し起こし、伸縮性のあるテープで行い、手首を甲の方から見て親指側から小指側へと1周巻きます。テープを切らずにそのままにし、次の2周目が手のひら側になった時、親指と人さし指の間を通して手の甲へと戻します。字を書く、道具を握る、運転をする、といった動作が楽になるでしょう。

 しかし、テーピングは一時しのぎです。手首に痛みがあるときは、整形外科など専門の医師に早めに相談しましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年7月15日 無断転載禁止