(45)手指のけが

指を伸ばしたまま、指の付け根の関節を曲げる運動。指の固定性や力を高める筋肉の強化につながる
手のひら側切ると重症も

 体の中で、けがが最も多い場所はどこでしょう? それは、足のねんざや腰の打撲などではなく、手先や指のけがが圧倒的に多いのです。

 運動中や何かの拍子で突き指をすることがあります。指先に最も近い第一関節を伸ばしたままで突くと、指を伸ばす筋の断裂や関節内の骨折を起こし、手術が必要になることがあります。

 球技をしている際によく起こす突き指は、第二関節に多く、ボールなどが当たった側のじん帯を痛めます。親指の付け根部分に強い力が加わり、激しい痛みがあるときは、骨折していることがあります。この場所は、小さな骨折でも非常に大きな障害をもたらすことがあるため、注意が必要です。突き指でつめの中に出血があるときは、病院でつめに穴を開けて血液を排出します。

 手の切り傷は、指先が圧倒的に多いのですが、手のひら側を切るけがは重症の可能性があり、注意が必要です。

 例えば、作業中などに手のひらを鋭く傷つけてしまうようなケースです。中でも、手のひら側の第二関節のしわから手首の方へ指2、3本分の間の場所にある、指を曲げるための2本の筋を同時に切るような深い傷を負うと、手術とリハビリでの回復が難しい場合があります。

 また、工具を使ったり、田植えをしたりするように、指でつかみながら手首を上下に動かす運動を長らく行うと、手の甲の腱鞘炎(けんしょうえん)になりやすく、腫れと痛みのために手を使うことができなくなります。この場合、指を曲げて、手首を少し起こした格好で安静にし冷やします。

 握力を鍛えるには、ただ器具を握るだけの運動では不十分です。あまり知られていませんが、第一、二関節など指全体を真っすぐに伸ばしたままで、指の付け根の関節を曲げる運動があります。指の固定性やパワーを高めるのに大切な手の筋肉の強化につながり、ゴムベルトなどを使うとさらに効果的です。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年7月29日 無断転載禁止