(1)食後の胸焼け/逆流性食道炎の代表症状

■相 談■

 1カ月ほど前から、食べた物が胸につかえるような感覚がありました。最近は食事の度に感じるようになり、食後の胸焼けも重くなってきました。食べ過ぎないように気をつけているのに起こるので心配です。(65歳、男性)


■アドバイス■

 松江赤十字病院消化器内科 藤沢智雄副部長

 胸のつかえや胸焼けは、いろいろな病気によって起こります。近年、よく知られるようになった逆流性食道炎の代表的な症状であるほか、重い病気では、食道がんや甲状腺腫瘍(しゅよう)、リンパ節の肥大によっても胸のつかえ感を生じることがあります。

 このような症状を訴えて受診される人の中で多いのが逆流性食道炎です。胃と食道を分ける部分を締め付けている横隔膜の筋肉(括約筋)が弱くなると、胃の内圧が高まったときに胃酸や内容物が食道の方へ逆流し、胸焼けなどを起こします。酸に弱い食道の粘膜に炎症が生じるためです。

 高齢になって腰が曲がると、胃が圧迫されて内容物の逆流が起きやすくなるほか、寝たきりの人でも多くなります。年配の人だけでなく、食事の欧米化などにより二十-三十歳代の若い人の発症も増えています。胸焼けや胸の圧迫感に加え、重い場合は心筋梗塞(こうそく)や狭心症かと思うような強い胸の痛みを伴い、夜中に目が覚めることもあります。

 放置すると、日本人では少ないものの、炎症が繰り返されることで食道の粘膜が変化し、食道がんになるケースもあります。括約筋が緩む原因は、老化が指摘されていますが、はっきりしていません。

 逆流性食道炎は、胃酸を抑える薬や消化管運動を促進させる薬の内服でほとんどの人が改善します。普段の生活では、暴飲暴食を避け、胸焼けなどの症状が出やすい人は食後すぐ横にならないようにしましょう。気になる症状があれば、早く病院を受診して胃カメラなどの検査を受けることが大切です。

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 日常生活の中で小さな症状や前兆に気づき、自分の体に関心を持つことは大切。大きな病気のサインの場合もあり、早期治療にもつながります。「ドクター教えて からだ相談室」では、松江赤十字病院の医師に、病気や対処法についてのアドバイスをしてもらいます。

2009年5月27日 無断転載禁止