(4)肺がんと自覚症状/無症状でも検査受けて

■相 談■

 住民検診で胸部エックス線検査を受けた結果、肺がんの疑いを指摘されました。しかし、自覚症状はなく、体調も以前と変わりません。たばこは、20歳から50歳まで1日20本吸っていました。  (67歳、男性)


■アドバイス■

 松江赤十字病院呼吸器外科 磯和理貴部長

 早期の肺がんのほとんどは無症状で、がん検診や他の病気でCT(コンピューター断層撮影)検査などを受けた際に見つかるケースが多いのが特徴です。せきやたん、血たん、胸痛などの症状が出る時は既に肺がんが大きくなっている段階ですが、進行しても症状がないこともまれではありません。

 肺がんの初診患者100人のうち外科的な切除が可能なのは40人で、そのうち治癒するのは20人というデータがあります。60人は手術が難しいほど、がんが進行しているということです。

 日本のがんによる死亡者を部位別に、30年前と比較すると、肺がんは、肝臓がんなどとともに割合が高くなっており、死亡者数は4倍以上に増えています。今後も増加傾向が続くと予測されています。

 肺がんの疑いがあれば、自覚症状がなくてもきちんと検査を受けることが大切です。胸部エックス線や胸部CTに加え、たんの中の細胞を調べる検査、組織を採取する気管支鏡検査などがあり、がん細胞を確認します。

 手術は、切除範囲の狭い順に肺部分切除、肺区域切除、肺葉切除、肺摘除(全摘)に分けられます。手術後の生活を心配される人は多いですが、年齢や体格からみた標準的な肺活量がある人の場合、一般的に肺葉切除までであれば通常の生活が送れるようになります。

 肺がん予防で最も重要なのは禁煙です。たばこには多くの有害な化学物質が含まれており、禁煙後の年数が増えるほど、肺がんのリスクは減少します。さらに、早期発見につなげるため、1年に1回は必ず肺がん検診を受けることが大切です。

2009年7月8日 無断転載禁止