(5)てんかん/けいれん伴わない種類も

■相 談■

 6カ月の子どもが時折、広げている両腕を急に上げて、頭をカクンと下げる動きをします。寝て起きた時など、一日に何回も繰り返します。 (27歳、女性)


■アドバイス■

 松江赤十字病院小児科・瀬島斉部長

 両腕と頭の動きから、点頭てんかんの可能性があります。てんかんは、全身のけいれんをイメージしがちですが、短い動きを反復したり、動作が止まったりする種類もあります。

 点頭てんかんは、生後4カ月から1歳ごろまでの乳児に発症することが多く、ウエスト症候群とも呼ばれます。両腕を上げると同時に頭を前屈する短い強直発作が特徴ですが、癖だと思って見過ごされるケースもあります。

 原因としては、脳や染色体の異常など基礎疾患がある症候性の場合が多く、経過を観察し療育訓練を行います。

 発症までの発達が正常で、検査をしても原因が分からない特発性点頭てんかんの場合、発症から1カ月以内に治療を始めて症状を止めると、良好な予後が期待できます。

 また、学童期を中心に見られる小児欠神てんかんは、けいれんがなく、突然ボーッとしたように10秒くらい動作が止まり、その間の意識を失います。本人に苦痛はありませんが、一日に何度も起こり、親のしつけなど精神的な原因によるもの、と周囲から誤った認識を持たれることがあります。抗てんかん薬の服用で治療することによって、多くは3年程度で治ります。

 点頭てんかんや欠神てんかんについては、脳波検査やMRI(磁気共鳴画像装置)などの診断技術、抗てんかん薬やホルモン療法などの治療法が進歩しています。特発性の点頭てんかんは、治療が遅れると知的障害が残ることもあるため、早期の診断と治療開始が重要です。

 てんかんは、強いけいれんを伴わない種類があるため、子どもの様子で気になることがあれば、医師に相談しましょう。

2009年7月22日 無断転載禁止