(6)朝の頭痛/脳腫瘍に特徴的な症状

■相 談■

 最近、朝起きた直後から頭が痛く、胸もムカムカすることがあります。日中から夕方にかけて症状は収まるのですが、これまでになかった痛みなので心配です。 (57歳、男性)


■アドバイス■

 松江赤十字病院脳神経外科 中岡光生副院長

 頭痛は筋肉の緊張によるものが多く、パソコン作業で疲れがたまるなどして、夕方になるにつれて起こりやすくなります。比較的疲れが取れている朝に起こる頭痛は特徴的で、脳腫瘍(しゅよう)がある場合に現れることが多い症状です。

 脳に腫瘍ができると、周囲の組織が圧迫されて、頭蓋(ずがい)骨で囲まれた内側の圧力が高くなります。それに伴って、頭痛や吐き気、視神経の一部が腫れるうっ血乳頭といった、主な三つの症状が出ます。

 朝方に頭痛が起こるのは、睡眠中に呼吸が抑制され、頭蓋内の血液量が増えることで高まっている圧力が、脳腫瘍によってさらに高くなるためです。頭を打ったこともないのに、起きがけから頭が痛い場合は、頭蓋内圧を上げる代表的な病気である脳腫瘍が疑われます。MRI(磁気共鳴画像装置)検査を行うと、ほぼ診断がつきます。

 脳腫瘍のうち、腫瘍が急激に大きくなることや転移もなく、根治が可能な良性腫瘍が3分の2程度を占めています。高齢の人で、良性の小さな腫瘍ができた場合、経過観察することもあります。

 また、腫瘍が頭蓋内から発生する原発性脳腫瘍と、肺がんや乳がんなど他の部位の腫瘍が基にある転移性脳腫瘍に分けられます。

 治療は、手術による腫瘍摘出、放射線治療、化学療法が中心で、腫瘍の種類などによって使い分けたり、組み合わせたりして行います。近年、発症者の遺伝子タイプによっては大きな効果が得られる抗がん剤も開発されています。腫瘍が小さいうちの方が有利に治療できます。まず、検査をして、脳腫瘍であれば、種類や大きさなどに応じて治療方針を決めます。

2009年8月5日 無断転載禁止