(47)首の痛み

首を支える筋力をつける体操。手を側頭部に当て、首を真っすぐに保つように意識しながら、手と首に力を入れて押し合う
長時間の悪い姿勢禁物

 パソコンの操作や机の上での作業をしている自分の姿勢を気にしたことがありますか。パソコンの操作中は、背中を丸くして画面に顔を近づけ、長時間、その姿勢を保っていないでしょうか。

 この姿勢は一見、どこに悪影響を及ぼすか分かりにくいのですが、背中を丸くしたまま正面を見るような姿勢をとると、上方を見ていないつもりでも、首は上を見る時のような、後方に反ったままの状態になっているのです。この首の姿勢は非常に問題があります。首を後ろに反らせた場合は、あごを引いた良い姿勢と比べて、首の後ろ側に3~5倍の負担がかかってしまうのです。

 そして、首の骨は加齢とともに変形し、骨棘(こつきょく)と呼ばれる、骨からの出っ張りでとげのような部分ができてしまいます。骨棘が骨の後ろの部分に発生し、首にある7つの骨の間から出る神経を圧迫してしまうと、腕から手先にかけてのしびれや痛みが出てきます。悪化すると、握った物が手から落ちてしまうなど、筋力の低下も徐々に現れてきます。

 両手でグーとパーを1秒間に2回繰り返し、10秒間で合計20回以上、左右差なくできるのが正常ですが、15回以下の人は何らかの原因による筋力低下が考えられます。

 このように、悪い姿勢による首への過負荷と骨の形の異常、首から腰までの背骨の間にある椎間板(ついかんばん)というクッション部分の加齢による変化は、誰にも同時に起こる可能性があり、首の症状を悪くします。

 首を痛めている人は病院でのリハビリが必要ですが、体操で首を支える筋力をつけることもできます。あおむけで低めの枕に首を置き、あごを少し引いた状態のまま、後頭部を全力の半分程度の力で5秒間、枕に押しつけます。これを毎日10~20回行います。首の血行も良くなり、すっきりした感覚になるでしょう。

 いすに座った状態でも、片手を側頭部に当てたり、両手を後頭部下側に当てたりして、首を真っすぐに保つように意識しながら、手と首で押し合うのも同じ効果があります。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年8月26日 無断転載禁止