(48)夏ばてと睡眠障害

寝る前のストレッチングは、睡眠をスムーズにする効果もある
入浴後にストレッチを

 暑さのピークを過ぎ9月になると、夏ばてをしたという話をしたり、聞いたりするようになります。夏ばてという言葉は、医学的な用語ではありませんが、体に何らかの不調があることが伝わってきます。

 「ばてる」という言葉はもともと「(疲れ)果てる」からきているようです。疲れ果てた体を治すには、睡眠による休養が一番であることは知られていますが、実際は、なかなか寝付けない、寝ても疲れが取れないということがあるようです。

 睡眠不足の弊害は、たくさんあります。例えば、食欲を抑制するホルモンのバランスが崩れて、満腹感の不足と空腹感の増大が同時に起き、結果として太ってしまいます。

 さらに、平均睡眠時間が5時間未満だと高血圧になり、脳出血などの危険性が非常に高くなります。極端な例で、4時間睡眠を1週間ほど続けると、インスリンという血糖を下げるホルモンの働きが悪くなり、糖尿病が悪化する可能性があります。いつもより2時間ほど長く寝て疲れが取れたと感じるなら、それこそ睡眠不足がある証拠なのです。

 睡眠の規則正しい習慣は、朝日を浴びて、昼間によく運動すればすぐに元に戻せるといわれていますが、仕事の都合や環境によって、誰にでもできることではないようです。一度にたくさん寝る「寝だめ」も根本的な解決にはなりません。

 昼食の後など一度眠くなる時間帯に約15分だけ寝るのも対処法です。眠気のサイクルは、一日のうち深夜と昼間の2回あり、昼間に少しだけ眠ると、夜の睡眠サイクルが通常の良い状態になります。

 また、寝る前にぬるめのお風呂に入り、興奮した神経を落ち着かせ、その後、深呼吸とともに足全体の筋や、上半身や腰など体の大きな部分を動かすストレッチングをすると睡眠がとりやすくなり、疲労回復の効果が高まるでしょう。夏ばての原因は脱水や胃腸障害などたくさんありますが、まずは規則正しい睡眠の回復から始めてみましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年9月9日 無断転載禁止