(27)山王寺の秋(SANNOUJINOAKI)雲南市大東町

 実りの色輝く200枚の棚田

朝の日差しと山並みに抱かれた棚田とコスモスが秋の風情を感じさせる。左後方は国立公園・大山=雲南市大東町、山王寺本郷地区
 棚田が美しい農村景観を形成する雲南市大東町の山王寺本郷地区は、秋の風情に彩られていた。

 標高300メートル。19ヘクタールの傾斜面に約200枚の棚田が広がる。38戸の農家の手で棚田が守られ、良質米「棚田舞」として出荷される。近年高齢化が進み農家の数も耕作地も減ってきたため、自然の恵みを暮らしに生かす知恵などを学ぶ「田んぼの学校」を開校。近郊の子供らが米作りや生き物観察を体験している。

 稲刈りシーズンを迎えた棚田が一望できる棚田展望台からの眺めは最高だ。早朝、夫婦で写真撮影に訪れた男性(73)は「朝の景観はいつ見ても美しい。空気が澄んで心が落ち着きます」と魅力を話す。

 朝もやの尾根筋と風に揺れるコスモス、稲ハデが溶け合い、のどかな田園風景を演出。静かに眺めていると、山里の秋の風情に気持ちが安らぐのを感じた。

(文と写真、報道部・小滝達也)

 棚田は急な傾斜地に階段状に作られた水田で、平地が少ない中山間地ならではの景観を造る。「日本の棚田百選」は全国で134カ所。島根県内では、山王寺や大原新田(奥出雲町)、室谷(浜田市三隅町)、大井谷(吉賀町柿木村)など6市町の7カ所が選定されている。

2009年9月28日 無断転載禁止