(50)子どもの健康と体づくり

成長期の子どもにこそ、柔軟性を高めるストレッチングは大切
経験乏しく、欠ける活発さ

 10月12日は、体育の日。学校や地域でも運動会や校内マラソンなどのスポーツ行事が催されます。小中学生の子どもを対象に、成長期ならではの障害やけがの話を交え、柔軟性を高めたり、痛みを予防したりするための知識や方法を次回から取り上げます。今回は健康な体づくりのための基本的な考え方を紹介します。

 現在の子どもは外で遊ぶことよりも、家の中でお菓子を食べながら、テレビゲームをすることが多いように思います。今は病気がなく元気でも、生活の中の”活発さ”は確実に失われ、将来、病気につながる恐れがあります。

 6~17歳の成長期の子どもで、心臓などの血管の健康度、体の柔軟性、筋力の項目について、基準をすべて満たしているのは3人に1人という報告もあります。

 自分の体重が支えきれず、腕立て伏せができない子どもを見ていると、力不足ということ以上に、全力を出す経験が乏しいのではないかと感じます。さらにこの経験不足は、運動を半ば放棄することにもつながるので深刻です。

 また、子どもの健康に対する関心は、親の影響を最も強く受けます。喫煙したり、インスタント食品を頻繁に食べたりする大人の習慣が、子どもたちに不健康を受け入れるメッセージを送っているのです。子どもの健康に対して興味を示すこと、親自身が健康であることが、何よりも大切です。

 米国・現カルフォルニア州知事のA・シュワルツネッガー氏は俳優や健康アドバイザーを務めていたころ、「健康に育つということは、賢く育つことと同等に重要なことだ」と話しました。健康を損ねていては、元も子もありません。

 世界一の長寿国であるわが国では、60歳で定年を迎えても、その後30年近く人生は続きます。最も収穫の多い人生の後半に健康でいるためには、子どものころからの健康の蓄えが必要です。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年10月8日 無断転載禁止