(11)乳房のしこり/不安あれば早めに受診を

■相 談■

  最近、胸にしこりを見つけました。食欲もあり体調も悪くないのですが、先日、同い年の友人に乳がんが見つかったと聞き、急に心配になってきました。  (45歳、女性)


■アドバイス■

松江赤十字病院乳腺外科 村田陽子部長
 松江赤十字病院乳腺外科 村田陽子部長

 乳腺外来には、「しこりを見つけた」という人がたくさん来ます。乳腺のしこりにはさまざまな種類があり、乳がんではないことが多いのですが、検査をしないと診断できないので、早めの受診をおすすめします。

 まずマンモグラフィ(乳腺専用の放射線検査)とエコー(超音波検査)を行い、必要に応じてさらに詳しい検査を追加します。中には良性と悪性の区別が難しいものがあるため、しばらく経過観察することもあります。

 乳がんにかかる人は増えていて、日本では毎年4万人に上ります。誰がなってもおかしくない病気で、40~50代をピークに、年配の人にも多く見られます。自覚症状の9割はしこりで、普通痛みはありません。いつの間にか大きくなり、進行すると転移を起こし、治療が難しくなっていきます。

 一方、早期発見・早期治療ができれば、治癒する可能性の高い病気です。乳房温存治療が可能なことが多く、薬物治療も軽くて済みます。早期発見のための努力が鍵を握るといえます。

 マンモグラフィ検診では、触っても分からないようなより早期の乳がんを発見できます。市町村検診や人間ドックなどで受けられます。ただし、病気が百パーセント分かるわけではなく、異常なしとなっても、2年間保証できるものではありません。

 したがって、毎月、乳房を自己検診することも大切です。入浴時に素手で丁寧に乳房を洗ってみるだけでもかまいません。周囲や反対側と違う硬さの部分がないかチェックすることから始めましょう。

 何より大切なのは「自分には関係ない」と思わないことです。大切な命や乳房、家族のためにも、自分の乳房に関心を持ち、1~2年に1回、乳がん検診を受けてください。

2009年10月15日 無断転載禁止