(12)突発性難聴/片側で発症、すぐ受診を

■相 談■

 朝起きて、急に左耳が聞こえないことに気がつきました。めまいも若干あります。2日間様子を見たのですが、一向によくなりません。  (60歳、男性)


■アドバイス■

松江赤十字病院耳鼻咽喉科 武田真紀子医師
 松江赤十字病院耳鼻咽喉科 武田真紀子医師

 この症状は、突発性難聴といわれる状態と思われます。急に片方の耳だけが聞こえなくなるのが特徴で、治癒率が一日単位で低下していく厄介な病気です。症状が現れてから少なくとも1週間、長くても2週間以内に治療を開始しなければ、回復が困難になるので、早急に受診してください。

 代表的な症状としては、水が入った時のように詰まった感覚や声が響いて聞こえるなどの軽いものから、片方の耳だけ全く聞こえず、耳鳴りやめまい、吐き気を伴うものもあります。早期治療ができれば、約半数の人が完治しますが、めまいなど重い症状がある人ほど、治癒しにくく、後遺症として、耳鳴りが残ることもあります。

 性別は関係なく、40~50代の中高年に多い病気です。原因ははっきりとは分かっていません。内耳にある血管が急激に収縮し、血流が悪くなったり、ウイルス感染による神経の障害ではないかと考えられていますが、いまだ特定されていないのが現状です。睡眠不足や疲労からのストレス、糖尿病が誘因となる傾向があります。

 検査では、聴力や平衡機能を調べます。突発性難聴とは対照的に、繰り返し発病し、低音部分のみの難聴やめまいを伴うメニエール病も最近目立つため、さまざまな症状から総合的に診断します。まれに聴神経腫瘍(しゅよう)の可能性もあるため、MRI(磁気共鳴画像装置)検査を追加します。

 治療は、安静にすることが基本です。その上で、内耳の炎症を抑えるステロイドホルモンの点滴・内服、ビタミン剤や血流を良くする薬など薬物療法を中心に行い、経過を見ます。糖尿病や症状が重い人は約2週間の入院治療をし、その後外来治療となります。

2009年10月29日 無断転載禁止