(13)動いた時の息切れ/気道閉塞する生活習慣病

■相 談■

 階段を上ると、常時息切れして苦しくなります。たばこの影響ではないかと思っているのですが…。  (65歳、男性)


■アドバイス■

松江赤十字病院呼吸器内科 河■(崎の大が立)雄司部長
 松江赤十字病院呼吸器内科 河■(崎の大が立)雄司部長

 喫煙歴があり、体を動かすと呼吸しづらいという症状から、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の可能性があります。

 肺活量はほぼ正常ですが、息をはくときに気道が閉塞してしまうため、呼吸数が多くなる運動時には、はき出せない空気が肺にたまり、次第に吸えなくなり、息苦しくなります。気道の炎症によって、せきとたんが出ることもあります。

 COPD患者は、全国で約600万人いるといわれ、増加傾向にあります。原因の9割以上がたばこ。70歳前後に多く、生活習慣病と位置づけられます。進行性の病気で早期治療が大切ですが、加齢によるものと自己判断し、受診が遅れるケースが多く見受けられます。

 検査としては、吸い込んだ空気を、最初の1秒間にどれだけはき出せるかを測定します。COPD患者は7割未満の量しかはき出せない特徴があります。この結果と、喫煙歴などを合わせて、総合的に診断します。

 治療は禁煙と薬物療法が中心です。COPDは、ぜんそくよりも、肺の奥にある末梢(まっしょう)の気道が細くなるため、気道を広げる抗コリン剤を主に処方します。また、吸入ステロイドで気道の炎症を抑えます。炎症は治療で改善しますが、長年の喫煙によって壊れた肺胞は元には戻らないため、この病気の完治は難しいのが現状です。

 普段の生活で心掛けることは、まず運動です。歩くことは呼吸困難を改善する一番のリハビリです。また、COPD患者の多くは呼吸だけでエネルギーを消費してしまうため、カロリーを十分摂取していてもやせる傾向にあります。回数を増やしてでも栄養を補い、バランスのとれた食事をしてください。

2009年11月12日 無断転載禁止