(14)不正性器出血/子宮がん早期から症状

■相 談■

 生理ではないのに、時折、性器から少量出血します。痛みはありませんが、心配です。
(48歳、女性)


松江赤十字病院産婦人科 藤脇律人副部長
■アドバイス■

 松江赤十字病院産婦人科 藤脇律人副部長

 月経や分娩(ぶんべん)・産じょくなど生理的な時期以外の女性生殖器(子宮、ちつ、外陰部など)からの出血を「不正性器出血」といいます。産婦人科の外来では最も多い主訴の一つで、痛みを伴わない少量で断続的な出血や性交後の出血、褐色の帯下(おりもの)など症状の現れ方はさまざまです。

 出血の原因には、悪性・良性の腫瘍(しゅよう)、炎症、傷など生殖器に物理的な病変がある「器質的出血」と、ホルモンの異常分泌など生殖機能の不調がある「機能性出血」があります。大部分は軽症ですが、中には、がんなど、生命にかかわる疾患が隠れていることがあるので、早めに受診してください。

 婦人科で診察したら、細胞・組織を採取し、顕微鏡検査に回します。また、エコー(超音波検査)で、子宮がんを含む器質的疾患がないかどうか調べます。

 腫瘍などが見つからず、ホルモンバランスが影響していると診断された場合は、自然に軽快する可能性が高いため、経過観察します。ただし、多量・長期間の出血がある時は、出血を抑えるホルモン剤などを投与します。

 今回の相談のような性成熟期以降のケースで注意しなければならないのは、婦人科がんです。特に、子宮がんの割合が圧倒的に高く、出口付近に腫瘍ができる子宮頸がんは30~40代の比較的若年者にピークがあるのが特徴です。奥にできる子宮体がんは50~60代に多く、近年増加傾向にあります。

 一般に、子宮がん検診は、子宮頸がんの検診を指すことが多いため、最近受けて異常がなかったとしても、すべての子宮がんを否定できるわけではありません。しかし、子宮がんは早い段階から不正性器出血が起こりやすく、多くが早期がんとしてみつかります。早期発見できれば、治癒可能な疾患で、妊娠を望む人には子宮を温存できるケースもあります。

2009年11月26日 無断転載禁止