(54)子どもの体の協調性

バランスボールを使った運動は全身の協調性を高める
多くの運動経験で向上

 運動に必要な能力には、筋力や柔軟性、持久力のほか、手足を巧みに動かすように調整する「協調性」があります。子どものころに発達し、その後の運動能力全般に影響を与えます。

 この協調性は、三つの能力から構成されます。まず、バスケットボールのシュートやゴルフのパットなどに関係する強さの調節や、目と手を連動させる能力。次に、テニスのサーブやサッカーのパスなど、距離・方向の空間把握能力。最後は、野球のバッティング、バレーのスパイクなど、運動に必要なタイミングを合わせる能力です。

 運動中に、この三つの能力を合わせて発揮できることを、一般に運動神経が良いと言います。医学的に、運動神経自体は、人によって大きな違いはありませんが、多くの運動経験を積むことで、協調性は向上し、総合的な運動能力を高めることが可能です。

 一方、センス(感覚)という言葉もよく聞きます。運動のセンスとは、瞬間の判断能力を意味し、刻々と変化する状況の中で、とっさの判断を正しく行えるかどうかで評価されます。バスケットのパスやバレーのトスの瞬間など、カメラワークまでもがだまされてしまうような、選手の技術レベルはその典型です。

 この判断能力は短期間で高まるものではなく、筋力や柔軟性の向上に合わせ、運動を多く経験する中で、徐々に身につけていく力です。ただし、10歳未満の子どもは、集団行動やルールを理解することができないので、指導が困難です。ブランコや滑り台に始まり、おにごっこ、縄跳びなど、遊びの延長にある運動が、発達を促すことを理解しましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年12月3日 無断転載禁止