石見銀山で16世紀末露頭掘り、市教委から調査内容公表

本谷地区で見つかった露頭掘り跡。調査では深さ3メートルまで掘り下げたが底は確認できなかった=大田市大森町
 世界遺産・石見銀山遺跡の中核をなす大田市大森町の本谷地区で16世紀末から17世紀初めごろに、多くの銀が地表近くで掘り出された可能性があることが、同市教育委員会が本年度初めて実施した露頭掘り跡の発掘調査で分かった。露頭掘り跡は、市教委が想定した3メートルより深く掘り下げられており、市教委では多くの銀が見つかったため掘り進めたとみている。銀山初期の産出状況や鉱山技術を実証する手がかりとして注目される。19日には現地見学会が開かれる。

 調査は10月から12月上旬まで、本谷地区と、同遺跡で最多の銀産出量を誇ったとみられる釡屋間歩(まぶ=坑道)に隣接する安原谷地区で実施した。

 本谷地区では、谷に走る山道に対してほぼ直角に岩盤を掘り下げ、岩のかけらで埋まった露頭堀り跡(幅約6~7メートル、長さ数十メートル)を発掘調査。

 当初、市教委は露頭掘り跡の底は地表から深さ1・5~3メートル程度と想定していたが、調査現場では3メートル掘っても底が確認できず、3メートル以上掘った可能性が高まった。市教委では、地表近くの層に多くの銀が確認されたため、さらに深く掘り進んだと推測している。

 また、露頭堀り跡そばの岩肌に残る鉱脈に沿って、つちとたがねで削り取った試掘跡も確認。2003年度の調査で確認できた建物跡からは直径約2メートルの井戸に似た遺構が確認され、試掘跡の可能性があるという。

 07年度から調査する安原谷地区では、人為的に掘られたとみられる溝を持つ17世紀前期の遺構を確認。同遺構内で直径約20センチのくぼみを持つ石(長さ約60センチ、横30センチ)が見つかり、鉱石をくぼみに置いて砕き、細かくした作業場とみている。

 市教委石見銀山課の本谷地区の調査担当者は「地表に近い層に想像以上の銀埋蔵量があったとも思われ、来年度も調査を進めたい」とした。

 見学会の参加希望者は19日午前10時までに同町の銀山公園の市道登り口を経て石銀地区に集合。小雨決行で降雪時は中止。問い合わせは石見銀山世界遺産センター、電話0854(89)0183。

2009年12月16日 無断転載禁止