(16)不眠/多様な原因把握が大切

松江赤十字病院精神神経科 石王覚医師
相 談

 夜、寝付けない状態が、1カ月ほど続いています。お酒を飲んだりして、なんとか入眠しますが、寝不足で仕事でも集中がとぎれがちです。

(52歳、男性)

アドバイス

 「不眠」を引き起こす要因には「心理的要因」「身体的要因」「環境的要因」などがあります。原因を把握し、解決を図ることが大切で、内科や精神科を受診します。

 まず、「心理的要因」で一番多いのは、不安や悩みに基づく不眠です。診察ではストレス対処の助言等を行い、補助的に睡眠薬を使用することがあります。

 ほかに、うつ病などの精神疾患に基づく不眠があります。うつ病では、意欲低下や思考の停滞など、不眠以外の症状が診断のポイントになります。集中力に欠けるということですが、単に眠れないためなのか、うつ症状によるものなのかを見極めていきます。治療はそれぞれの精神疾患に応じたものになるため、精神科受診が適切です。

 「身体的要因」による不眠としては、体の病気によるものや、更年期・老年期にある生理的変化によるものがあります。痛みや息苦しさがあれば眠れませんし、夜間頻尿なども睡眠の妨げになります。また加齢に伴い、睡眠は浅くなる傾向があります。いずれも原因の改善を優先し、必要であれば、睡眠薬を使用します。

 最近、若い世代を中心に、インターネットなどによる夜更かしで、睡眠リズムを確立しにくい人が増えています。「環境要因」に基づく不眠では、まずは生活調整から取り組んでみると良いでしょう。

 睡眠薬についてですが、一般に、日本人は薬の助けを借りて眠ることに強い抵抗感があり、「薬漬けになる」「ぼける」と心配しがちです。実際にはそういった問題は少なく、医師の指示に従って服用すれば、有効に働くため、心配な薬ではありません。

 またアルコール摂取により、睡眠は浅くなりやすいため、不眠を抱えている人は、寝酒や夜遅くの飲酒は控えてください。

2009年12月24日 無断転載禁止