(56)運動前の栄養補給

運動の1時間前を目安に、栄養補給する
エネルギー不足で事故も

 成長期の子どもにとって、運動と食事は、切っても切り離せない関係にあります。食べることは大人以上に大切ですが、体のエネルギーを集中的に消費する運動や部活動の前に、栄養補給する習慣がない子どもは少なくありません。

 昨年11月に松江市で開催された日本PTA中国ブロック研究大会で、島根県内のある地域の小学高学年と中学生、約250人を対象にした栄養補給に関する調査の報告を行いました。夕方から夜にかけて運動するにもかかわらず、「昼給食のみで運動を開始する」が44・8%に上り、約半分の子どもが、午後1時ごろの食事から、何も口にせずに運動に取り組んでいることが分かりました。

 運動種目によって、消費されるエネルギーが異なるため、一概には言えませんが、エネルギー不足は運動パフォーマンスの低下を招きます。汗をかくことでミネラル分が不足し、集中力が途切れたり、脱水状態を起こしたりして、運動中の事故も予測されます。また、栄養不足が深刻になると、体の発達にも直接影響します。

 一方、調査の中で「今後、運動前の栄養補給について指導を受けてみたい」という保護者は62・2%に上り、関心の高さを示しています。まだまだ改善の余地があります。

 実際の食事に関しては、特別なメニューを考案する必要はありません。普段食べているものの組み合わせやバランスを工夫するなど、手間がかからず、簡単なものから始めるとよいでしょう。ちょっとした食べ物があるだけで十分に効果はあります。例えば、おにぎりやサンドイッチなどの総菜パン、栄養ゼリーがお勧めです。ただし、バターロールや菓子パンなどは糖分や脂肪分が多いので注意してください。

 また、栄養補給の時間帯や方法など、チームで話し合ってみるのも近道です。子どもの発達への理解と支援こそが一番の栄養になるのではないでしょうか。

 (松江総合医療専門学校専任講師・南場芳文)

2010年1月7日 無断転載禁止