(57)運動中の水分補給

冬場の屋内での運動でも、水分補給はこまめに行う
湿度高い屋内でも脱水に

 今回は、運動中の水分補給についてです。運動中は、発汗によって、体内の水分や塩分が失われるため、適切な水分補給が行われなければ、やがて熱中症や脱水状態を招く恐れがあります。運動を安全に行うために、水分補給の知識と方法を知っておくことは大切です。

 幅広いスポーツ活動や健康増進のため、屋内型スポーツ施設はひと昔前に比べ、増えました。天候がすぐれない日や、仕事帰りの夕方から、体を動かしている人を多く見掛けます。

 対照的に、水分補給への正しい理解はいま一歩。特に、熱中症への理解が不十分です。

 熱中症の原因は、発汗による脱水と塩分の不足です。初期症状として、口の渇きや大量の冷や汗、集中力の低下などが見られます。さらに、手足や腹部の筋肉に痛みが出る症状が出てくると、「熱けいれん」となり、重症のサイン。運動を中断し、医療機関への受診も考えなくてはなりません。

 ただし、熱中症という言葉からは、どうしても高い気温や照りつける日光を想像しがちで、冬場で屋内の運動環境でもその危険があることはあまり知られていません。 

 実は、閉ざされた屋内で、運動を続けると、その場の湿度は高まり、風通しの良い屋外で運動した場合より、発汗量は多くなることがあります。

 例えば、バレーボールやバドミントンでは、ルール上、風の影響が出ないように閉めきって会場を使うため、湿度が上がりやすく、熱中症の発生率も高くなります。

 予防には、市販のスポーツドリンクの粉末を使用説明書にある量より約2倍に薄め、15~20分ごとに150cc程度ずつ飲みます。少し冷やしておいた方が、腸への流れが速く、吸収時間を短縮できます。

 教育の現場では、前述の方法が身に付くように、繰り返し指導し、水分補給させるべきです。若いアスリートでも、体重の5%の水分損失で、命にかかわる重大な事故を招きます。冬場の屋内での運動でも、水分と塩分(ミネラル)の補給を欠かすことができません。

 (松江総合医療専門学校専任講師・南場芳文)

2010年1月21日 無断転載禁止