(18)尿タンパク陽性/高血圧なら腎臓病の疑い

相  談
 昨年の職場健診で、尿タンパク陽性の結果が出て、経過観察となりましたが、特別な治療はしていませんでした。しかし、今年の健診でも同様の結果でした。大丈夫でしょうか。血圧はもともと高めです。  (45歳、男性)


アドバイス

松江赤十字病院膠原病・腎臓内科 漆谷義徳部長
松江赤十字病院膠原病・腎臓内科 漆谷義徳部長

 尿検査でタンパク成分が検出されるということは、腎臓の障害が疑われます。特に、もともと血圧が高く、タンパク尿が出るようになった人は要注意。40代からでも治療を開始するべきです。

 問題の根は高血圧です。高い血圧が腎臓にある血管をもろくすることで、本来漏れるはずのないタンパク成分が尿に混じるようになります。腎臓の働きが正常でも、慢性腎臓病の状態になっています。

 慢性腎臓病は徐々に進行していくため、症状に気付きにくいことがあります。異常に気付いたころには、人工透析を導入する段階にあったということも少なくありません。また、腎臓が弱っているころには、全身の血管ももろくなっているので、脳卒中や心臓病の予備軍ともいえます。

 ただし、腎臓は検査で数値が明確に出る臓器。定期的に検診を受け、ちょっとした異常を見逃さないことが大切です。

 まず尿検査を行い、タンパク陽性が認められたら、一日の尿タンパク量を調べます。加えて、血液検査を実施し、腎臓の働き具合を調べれば、慢性腎臓病であるのか、あればどれほど進行しているのかが分かります。その後は、段階に合わせて治療方針を決定します。

 治療は、食生活の見直し、生活習慣の改善からです。塩分とカロリーを控えた食習慣を意識して、厳密に血圧をコントロールすることが重要。禁煙は必須で、肥満体質の人は減量から始めます。一週間に食べた料理と量をメモして、管理栄養士に具体的なアドバイスをもらうことをお勧めします。

 症状がひどければ、薬物療法も合わせて実施しますが、早期に治療開始できた場合は、薬を使わなくて済むこともあります。

2010年1月28日 無断転載禁止