(59)子どもの腰痛

腰痛予防には、太ももの裏の筋肉を伸ばすストレッチが有効。立てた片足に胸を近づけるようにすると、もう一方の足裏が伸びる
筋肉性には安静が第一

 成長段階にある小中学生や高校生が所属するスポーツチームに同行すると、子どもたちの腰痛が思った以上に多いことに気が付きます。3日以上も腰痛が続く時には、医療機関を受診することが大切です。

 一番多く見られるのが「筋肉性の腰痛」です。連戦や合宿が続き、オーバーワークになった場合や、日ごろの運動不足の中で急に激しい運動をした場合などに起こります。指で腰のまわりを押してみると、痛みの部位(圧痛点)がはっきりと分かるのが特徴です。

 治療には、安静が第一。少なくとも3日から1週間は、痛みを起こしてしまう運動を控えます。入浴時の腰のストレッチングが有効で、痛みが強い場合は、患部を1時間程度冷やした後、痛み止めクリームを塗ったり、湿布をはったりします。

 次に、体を反った姿勢や、反ったままでひねりを加える動作を行った際に痛みが出る背骨の「分離症」や「すべり症」があります。背骨の中でも、特に腰骨に多く、発育期の疲労骨折と考えられ、整形外科など医療機関を受診し、エックス線撮影で分かります。

 体を大きく反って力を伝えるバレーボールのアタッカーや、リバウンドを多くこなすバスケットボールのセンターをはじめ、ボート競技や器械体操、ウエートリフティングの選手などに多い印象があります。

 腰痛に加えて、太ももの横やひざから下に痛みやしびれがある場合は要注意です。これは「ヘルニア」とよばれる症状の一つ。激しい運動などで、背骨の間にあるクッションの役割をする椎間板(ついかんばん)の中のゼリー状の髄核が飛び出し、神経を圧迫するため、激しい痛みやしびれを引き起こします。

 治りやすさはさまざまですが、早期に受診し、検査することが大切です。中には、子どもや若い人の場合、簡単なリハビリを実施し、運動と自転車通学などを制限し、安静にすることで、元のように回復するものもあります。

 腰を支える役割のある腹筋を強化したり、股(こ)関節の柔軟性を上げるなどして、腰にかかる負担を分散させるような予防を十分に行いましょう。

 (松江総合医療専門学校専任講師・南場芳文)

2010年2月18日 無断転載禁止