(60)子どものひざ痛

くるぶしを持って太ももの前の筋肉を伸ばす。柔軟性を高め、ひざの負担を軽減する
足首や太もも筋肉柔軟に

 先日まで行われていたバンクーバー冬季五輪では、世界のアスリートの華麗なジャンプや回転、着地の数々に魅了されました。今回は、これらの動きを支えている「ひざ」に注目します。運動中、ひざにかかる負担は想像以上に大きく、特に子どもにとっては成長に影響するだけに、正しい知識を身に付けておくことが大切です。

 ジャンプ動作が多いスポーツの場合、けがの予防で意識しなければならないのは、着地です。ねんざなどは着地の際に起こりやすい上、足にかかる衝撃は体重の8~10倍ともいわれます。着地運動の繰り返しは、成長途中の骨や筋肉に負担をかけすぎてしまいます。

 けがや痛みの原因はひざそのものというよりも、足首と太ももの筋肉の柔軟性の低下が大きく影響しています。足首まわりが硬い子どもはひざの障害が出やすく、加えて太ももの前の筋肉も硬ければ、重い症状になってしまいます。

 足首まわりが硬い場合、両足のかかとを地面に付けたまましゃがめません。小さいころから洋式トイレを使用していた子どもに多いとされます。太ももの筋肉が硬い場合、うつぶせで片ひざを曲げ、同じ側の手で、足首を握れなかったり、お尻が持ち上がってしまいます。これらの状態にあるときは要注意です。

 根本的な解決には、足首や太もものストレッチングが欠かせません。太ももの前を伸ばすストレッチとしては、基本的に立位で、片方の足を折り曲げ、股(こ)関節から伸ばすイメージで行います。この時、くるぶしを持って行うことがポイントです。足の甲を持ってしまいがちですが、これでは太ももを十分に伸ばすことができません。

 けがの予防に力を注ぎ、子どもたちが持つ可能性を十分に発揮できるように、知識を実践につなげていくことが、最善の方法です。

 (松江総合医療専門学校専任講師・南場芳文)

2010年3月4日 無断転載禁止