(21)アトピー性皮膚炎/極端な食物除去は危険

相  談

 3歳の長男がアトピー性皮膚炎で治療しているため、生後4カ月の長女も発症するのではないかと心配です。原因や基本的な予防方法を教えてください。 (31歳、女性)

アドバイス

松江赤十字病院小児科 斎藤恭子副部長
 松江赤十字病院小児科 斎藤恭子副部長

 アトピーはかゆみを伴う湿疹(しっしん)が出たり、引いたりする状態を慢性的に繰り返す皮膚の炎症です。3歳くらいまでの小児期に発症することが多く、ほおやおでこ、口まわりをはじめ、耳や首、手足など広範囲に及ぶことがあります。

 特に、生後数カ月から1歳ころまでは、寝た時に下になる耳やほおが、よだれやミルクで汚れやすく、症状がひどくなるケースがありますが、成長とともに部分的になり、落ち着いてきます。

 メカニズムとしては、皮膚の表皮や皮脂膜などのバリアーがなくなって、さまざまな刺激を受けやすくなり、湿疹や皮膚炎を引き起こすと考えられています。原因は、遺伝による体質に加え、食べ物との相性、かき癖、冬場の乾燥などの環境因子が働いているとされますが、解明されていません。

 治療は、食べ物やハウスダストなど症状を悪化させる誘因を取り除いた上で、スキンケアを中心に行います。入浴して清潔にしてから、全身に保湿剤をしっかり塗ることです。さらっと塗れる乳液タイプと油分が多い軟こうタイプを季節によって使い分けます。汗をかきやすい春から夏は、シャワーで汗を流した後、乳液タイプをこまめに塗ることをお勧めします。

 症状に応じて、ステロイド系や非ステロイド系の外用薬、漢方薬なども使用します。かく癖がある場合は悪化するため、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などの内服薬も使用して、症状を軽くしていきます。

 最近、離乳段階で、極端な食物除去をするケースが増えています。しかし、かえって低栄養に陥り、成長が遅れたり、症状を悪化させたりして危険です。アレルギーの性質や治療方法は、子どもによって千差万別ですので、上の子どもと同じ症状だからといって、自分で判断せず、医師に相談してください。

2010年3月11日 無断転載禁止