(22)突発性の頭痛/くも膜下出血か、すぐ受診

松江赤十字病院脳神経外科 中岡光生副院長
 相 談

普段、片頭痛などはないのですが、突然、頭に痛みを感じました。経験のないことなので心配です。(40歳、男性)

 アドバイス

 松江赤十字病院脳神経外科 中岡光生副院長

 経験したことのない突発的、瞬間的な頭痛は「くも膜下出血」の特有の症状です。命にかかわることもあるので、放置せず、早急に受診してください。

 くも膜下出血とは、脳の表面を覆い、網目状の層をなす「くも膜」の中で太い血管(脳動脈)が破裂する出血性脳卒中の一つ。大出血すると脳内の圧力が急激に高まるため、脳が損傷を受け、重症の場合、死に至ります。

 原因は、脳動脈の壁の一部が、こぶのように膨らむ脳動脈瘤(りゅう)。高血圧や動脈硬化、老化によって血管壁が弱くなるとできやすいといわれます。脳動脈瘤は破裂しなければ、無症状であることも珍しくありませんが、破裂の大部分は前触れもなく起きるので、早期発見が鍵を握ります。

 検査は、磁気共鳴画像装置(MRI)による血管撮影が主流で、脳ドックで未破裂の脳動脈瘤が見つかるケースがあります。より精密に調べる場合には、造影剤を使ったコンピューター断層撮影(CT)やカテーテルによる血管撮影を実施し、確定診断の判断材料にします。

 破裂した脳動脈瘤の治療は、再出血を防ぐ手術になります。一度出血が止まっても、放置して再出血すると、重症化する可能性が高いためです。クリッピング術は、脳動脈瘤の付け根をクリップで止める方法で、高い再発予防効果があります。カテーテルを使い、脳動脈瘤の中に細いコイルを詰める方法もあります。

 未破裂の動脈瘤が見つかった場合は、こぶの大きさや形、患者の年齢から、破裂の危険性や手術した場合のリスクを検討し、手術するかを決めます。小さい脳動脈瘤は破裂する可能性が低いこともあり、手術をせずに経過観察することもあります。

 脳動脈瘤があっても、普段の生活に特別な制限はありません。ただし、高血圧や喫煙、大量飲酒、過度なストレスなどの血管に影響を与える因子は取り除いていくことが大切です。

2010年3月25日 無断転載禁止