(62)ノルディックウオーキング(中)

ストックのおかげで、足腰の負担が軽くなり、坂道や階段の歩行も楽になる
姿勢矯正、脳梗塞予防にも

 両手に持ったストックで地面を軽く押して歩くノルディックウオーキングの基本動作は、下半身だけでなく腕や腹部、背中など上半身にも適度に負荷を与えます。肩の回りの筋肉もほぐれるので、肩凝りに悩まされている人にもお薦めです。

 姿勢の矯正にも一役買います。ストックを突きながら歩くことで、自然と胸を張る格好になり、転倒予防になります。背筋が真っすぐ伸びると、肋骨(ろっこつ)の動きも改善され、呼吸が整い、加齢とともに減っていく肺活量も維持することができます。

 昨年12月、出雲市でノルディックウオーキングの紹介と実践を目的とした講演会がありました。その中で、参加者からは「足はもちろん、二の腕が引き締まりそう」などの感想が出ました。

 歩行の基本は、ストックを後ろに押し出すイメージで腕を動かし、体を前に運ぶこと。この時、ストックの先端にあるゴムで地面を押さえつけ、腕の力を地面に伝える感覚で歩きます。動作の弾みで、通常よりも大きな歩幅になります。腕が前に戻るときは、ストックを握る手の力を抜きます。地面を引きずるくらいでもいいです。

 また、ストックをつく位置もポイントです。慣れないころは、前に出た足と後ろの足の中間点につくようにすれば、無理なく体が前に進みます。加えて、かかとから着地し、つま先で十分に地面をける動作もエネルギー消費を上げるこつです。

 滋賀大学の調査では、約3~6カ月で腹囲が6%以上減った(通常のウオーキングの2~3倍)という報告もあり、メタボリック症候群や肥満の解消に期待が高まっています。

 効果は同様に、体をつくる骨や血液にも波及します。同調査では、骨密度の増加が確認されているので、骨粗しょう症の予防になるといえます。通常のウオーキングに比べ、血管の中をきれいにする善玉コレステロールも増加しやすく、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞、動脈硬化症の予防につながるでしょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年4月1日 無断転載禁止