(63)ノルディックウオーキング(下)

ストックを使えば、バランスを崩しやすいストレッチングも安全にできる
 ノルディックウオーキングに用いるストックは、運動中の足腰への衝撃の軽減や、上半身への刺激を促すだけでなく、ウオーミングアップやクールダウン時に行うストレッチングにも効果を発揮します。

 その一つが安全性の向上です。ストックを重ね合わせ、腰のあたりに添えながら体をひねるツイスト運動や、体の両側にストックをついて太ももの裏、お尻の筋肉を伸ばすストレッチングなど、体操中にバランスを崩しやすい人や、支えなしでは関節に負担がかかり過ぎる人に適しています。

 ストックの種類はさまざま。選び方にもポイントがあります。転倒した際、とっさに手をストックの握りから離し、手のひらが地面に向けられるよう、ストラップのついたタイプがより安全です。ストックの先端についた衝撃吸収のためのゴムは、交換や調節が簡単なものをお薦めします。

 加えて、自分の体に合った長さのストックを選ぶ必要があります。ひじを90度に曲げたとき、ストックの先端が地面につく長さが目安となります。始めは、高さ調節機能のついたストックで慣れていくのが良いでしょう。講習会やサークルなどに参加し、専門家に相談してみてください。

 足元は、普通の運動靴で十分です。併せて、最近出回っているウオーキング専用靴下を試してみてはどうでしょうか。つま先が上がるので、歩幅が自然と大きくなり、筋肉の活動量が増えるという報告があります。

 このウオーキングが、体に良い影響をもたらすことははっきりしていますが、もう一つ大切なことは、心の健康です。松江市総合運動公園の公認インストラクターや地元の医療ボランティアなどが市民参加型のウオーキングとして普及を目指しています。このウオーキングを通じて、人とのふれあいが生まれれば、引きこもりの予防などにもつながるのではないでしょうか。

 新しいスポーツは、あまり難しく考えず、気軽に始めてみることです。楽しくやれば、長続きし、最も高い効果を生むことになります。

(松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年4月15日 無断転載禁止