(64)骨盤の動き(上)

あおむけに寝て、足先の開きを確認します
 不調招く柔軟性の左右差

 スポーツ界にもたくさんの新人が加わるこの時期、基礎的な体の動きについていろいろな質問を受けます。内容は▽走ったときにひざがO脚で開く▽逆に内またすぎる▽両手で投げたボールが真っすぐに飛ばない▽片脚立ちのバランスが安定しない-などさまざま。ですが、骨盤の動きが不完全なときに起きる症状が多く含まれます。

 骨盤は、お尻の真ん中にあって背骨を支える仙骨、その横から大きなハート形を描くように左右に広がり前方でつながる腸骨と寛骨(かんこつ)の、三つの骨から成ります。一見、動かない一つの骨だと思われがちですが、体を反ったり丸めたりするときに2~5ミリ程度、動いています。出産を迎えた女性はホルモンの作用も加わり、動きがさらに大きくなります。

 運動不足による筋力低下、デスクワークなどの際にいつも同じ側の脚を組んでいたり、重い物を片側の体で持ったりする癖があると、動きの異常が起きやすいようです。骨盤の持つ柔軟性に左右差などがあると、見た目の状態だけでなく、首や肩の違和感、腰痛につながります。

 自分の骨盤の動きが正常かどうかを調べるのに、簡単な方法があります。あおむけに寝て息を吐き、全身の力を抜きます。床から踵(かかと)を持ち上げ、数回、軽くストンと下ろしてもよいでしょう。このとき、両足の間は少し空けておきます。

 そのリラックスした状態の両つま先の開き方を見てください。正常だと、足先のV字の開きは左右対称で60度ほどです。片足だけ開くとか、角度が狭いか広がりすぎていると、異常がある目安の一つになります。

 また▽靴底の片側だけがすり減る▽立つと両ひざの間が付かない▽女性で尿漏れがある▽同じ身長の人より歩幅が目立って狭い▽腰かけると体をひねって真後ろを見ることができない-なども、骨盤の動きの異常を示すサインとなります。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年4月29日 無断転載禁止