(25)緑内障/点眼薬や手術で視力確保

■相 談■

 人間ドックで緑内障の疑いを指摘されました。目の疲れはありますが、視野が狭くなった感じはありません。いずれ失明してしまうのではないかと心配です。 (52歳、男性)


■アドバイス■

松江赤十字病院眼科 三原悦子副部長
 松江赤十字病院眼科 三原悦子副部長

 緑内障は眼球内部の圧力(眼圧)が高くなったり虚血したりして視神経が障害され、次第に視野が欠けていく病気です。40歳以上の20人に1人がかかるといわれ、高齢化に伴い患者数は増えています。遠視や強度近視の人、緑内障のある家族がいる人に起こりやすく、初期は自覚症状がない人がほとんどです。

 日本人には、眼圧があまり高くなくても視野が欠けていく正常眼圧緑内障が多く、早期の診断には眼圧以外にも視神経の状態を診る眼底検査、視野検査が必要です。緑内障で低下した視力や視野欠損を回復させる方法は、残念ながらありません。ですが、早期診断と適切な治療で、有効な視機能が一生残るよう進行を遅らせることができます。

 治療は点眼薬で適正な眼圧を保ち、薬で眼圧が調整できないときは、目の中にある水の流れを改善する手術を行います。この10年で病態の解明や点眼薬の開発が進み、手術以外の保存的な加療でも眼圧のコントロールが可能になりました。

 緑内障は急性型を除き、十数年かけてゆっくりと進行するので、すぐに失明することはありません。ただ、発見が遅れ、視野の欠けが自覚できる段階になると、すでに重症化している可能性があります。人間ドックなどで眼底検査を受け、早期発見することが大切です。

 人間は片目に視野欠損があっても、もう一方の目で補ってしまうため、視野の欠けは初期には自覚できません。自分で簡単に視野チェックするにはテレビの砂嵐画面を見る方法があります。砂嵐画面の中央を片目ずつ見つめて、見え方のおかしいところがあれば眼科を受診しましょう。

 緑内障は生活習慣との明らかな関連は指摘されておらず、予防策がありません。見え方に異常がなくても、一度、健診を受けると良いでしょう。

2010年5月13日 無断転載禁止