(27)巻き爪/靴に原因、矯正で形戻す

松江赤十字病院形成外科 池野屋慎太郎副部長
■相 談■

 仕事でハイヒールを履きますが、足の親指が巻き爪(つめ)で歩くのがつらいです。爪を切ってもすぐに皮膚に食い込んで痛くなります。 (28歳、女性)


■アドバイス■

 松江赤十字病院形成外科 池野屋慎太郎副部長

 通常、爪は平らに生えてきますが、圧迫されて両端が曲がると巻き爪になります。皮膚に食い込んで炎症を起こした状態を陥入爪(かんにゅうそう)といい、悪化すると化膿(かのう)して、歩くのも困難になります。

 巻き爪は女性に多い病気で、ほとんどが足の親指に起きます。深爪でも一時的になりますが、主な原因は靴です。

 先の細い靴、かかとが高い靴、サイズが大きい靴、サンダルのように甲とかかとが覆われていない靴を履くと、足が前に滑って指の爪が圧迫され、爪が巻き込まれてしまいます。爪を切ると一時的に痛みはなくなりますが、爪が伸びるときに余計に皮膚に食い込み、再び痛みだすことがあります。

 治療は、爪と皮膚の間に綿やチューブを詰めて炎症を抑え、爪の形を元に戻すための矯正をします。矯正は自費診療で、方法はいくつかありますが、爪の先の両脇に穴を開け、弾力のあるワイヤを取り付けます。数カ月し、平らに生えてくるようになれば外して経過を観察します。

 10年以上前は、爪の根元にある爪母(そうぼ)という組織を手術で取り除き、成長を止める治療のみでしたが、現在は矯正が可能になり、重症の場合には手術を行います。

 糖尿病による動脈硬化などで足の血液循環が悪い人は傷が治りにくく、十分な治療ができないため、血の巡りを良くすることから始めなければなりません。また、進行すると指が壊死(えし)して治療が難しくなり、最悪の場合は切断が必要になるため、早めの受診と対応が大切です。

 巻き爪は痛みさえなければ生活に支障はありませんが、足に合った靴選びなどで防ぐことができます。悪化すると治療にも時間がかかるので、気になる人は受診してみると良いでしょう。

2010年6月10日 無断転載禁止