(67)腰痛の見分け方(上)

股関節の柔軟性を高くするストレッチ。片足をひざの上に乗せて徐々に体を前に倒す
 ぎっくり腰 痛みは1カ所

 加齢とともに現れる体の不調の中で、腰痛は代表的な症状の一つです。厚生労働省の調査によると、整形外科を受診する理由として最も多いのが腰痛となっています。

 腰痛は単に腰の周りが痛むこととして、ひとくくりにされがちですが、医学的には原因がたくさんあります。様子見で済むものから、早急に治療を開始しなければならないものまで、症状もさまざまです。

 その中で、腰の1カ所だけ痛み、脚にしびれ、違和感、脱力感がないものは、いわゆる「ぎっくり腰」です。重い物を急に持ち上げるなど慣れない作業をした時に発生率が高く、強烈な痛みで動けなくなることもあります。回復には、痛みを和らげる格好で安静にするほか、痛み止めの使用などが必要です。

 ぎっくり腰を防ぐには、体を無理なく動かすことが肝心です。重い荷物は、片ひざを床に着いて持ち上げます。高い所にある物は足台に乗って取ります。掃除機をかける時は前かがみにならないようにします。

 腰の負担を軽減するには、腹筋を中心に筋力を強くしたり、個人に合った腰ベルトを巻いたりする対処法が効果的です。また、ストレッチで股(こ)関節を柔らかくすると無駄な背骨の反りがなくなり、動作中のストレスが軽くなります。

 骨が薄くなりやすい高齢の女性は、腰の周囲に限定された痛みでも、背骨の圧迫骨折が起こっている場合もあります。多くは転倒して尻もちを付いた場合に発生し、積み重なった背骨がつぶれるように折れてしまいます。背骨が丸く曲がって慢性的に腰痛がある人の中には、気付かないうちに圧迫骨折を起こしていることがあります。

 高齢者は特に、ちょっとしたきっかけで背骨に痛みを感じます。そのうち治るだろうと我慢せずに、整形外科などの専門医に相談してみましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年6月17日 無断転載禁止