(68)腰痛の見分け方(中)

片足を台の上に乗せながら家事や作業をすると腰への負担が減る
原因なく慢性的な腰椎症

 何か重たい物を持ち上げたわけでもなく、運動もしていないのに腰痛を繰り返すことがあります。特に思い当たる原因がなく起こる慢性的な腰痛を腰椎(ようつい)症といいます。背骨の骨自体が薄くなったり、関節が変形したり、背骨のクッションの役割を果たす椎間板(ついかんばん)が加齢によって自然に変化したりし、腰の痛みとなって現れたものです。

 このタイプの腰痛は、2~3日休むと楽になってきますが、無理に動くと簡単に再発してしまいます。また、骨が変形して張り出した「骨の棘(とげ)」が背骨にできると、関節症と同じ症状を引き起こし、朝の起床時や体が動きだす際に最も痛みが強くなります。

 腰痛があると、どれくらいの腰の曲げ伸ばしで痛みが起きるのかが分かってくるので、自分で無意識に腰の動きを制限してしまい、だんだんと動かせる範囲が小さくなってきます。背骨の変性と変形が進むと、姿勢が徐々に丸くなったり、背骨が横に曲がっていく側弯(そくわん)が起こったりし、回復しにくくなる場合があります。

 これらの変化は70歳を超えた高齢者の7割以上にみられます。ただ、変化があるからといって、誰もに腰痛が出るというわけではありません。エックス線写真などで自分の状態を正確に知ることが基本です。

 治療には、痛みを止めたり骨を強くしたりする薬や、痛みを軽減させる腰コルセット(腰ベルト)などを使いますが、それらがなくても過ごせるよう、リハビリによって体を強化することや正しい日常生活を指導してもらうことの方が重要です。

 日ごろから▽深い前かがみや反り返りの姿勢はとらない▽重労働はしない▽同じ姿勢を長時間続けない-など、腰に過度な負担をかけないように気を付けましょう。また、痛みの緩和には、腰を温める習慣をつけるといいでしょう。(松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年7月1日 無断転載禁止