16世紀末の銀精使用「鉛塊」出土、石見銀山

見学会で公開される、16世紀末ごろと見られる鉛塊などが周辺で出土した本谷地区発掘調査現場の露頭掘り跡=大田市大森町(資料)
 世界遺産・石見銀山遺跡の中核をなす大田市大森町の本谷地区で、銀精錬に使われた可能性がある鉛塊が出土した。同市教育委員会によると、銀山採掘最盛期の16世紀末ごろのものとみられる。同遺跡では17世紀以降のものとされる鉛塊は数点出土しているが最盛期の鉛塊の出土は初めて。市教委は「本谷地区の遺構の良好な保存状態を示す発見」としている。

 鉛塊は3日に開かれる現地見学会で、地表から銀を掘った露頭掘り跡と合わせて公開される。

 調査は同市教委が5月末から、同町の仙ノ山にある本谷地区と、安原谷地区で実施。

 昨年12月の調査で、銀山最盛期の16世紀末から17世紀初頭ごろの遺構とされた本谷地区の露頭掘り跡付近を約60センチ掘ったところ100円玉ほどの貨幣状の金属塊(約14グラム)が出土。皿状に反るような形に加工されており、成分分析の結果、純度の高い鉛塊と判明した。

 市教委は銀精錬で用いられた灰吹法で使われたか、銀精錬の過程でできたとみている。

 また、露頭掘り跡の近くで、直径約15~20センチの柱穴状遺構が連なるように4カ所見つかった。柵や板などを使った土砂止め施設とみられる。

 同遺跡で最多の銀産出量を誇ったとされる釡屋間歩(まぶ=坑道)に隣接する安原谷地区では、17世紀初頭の建物跡とそれにつながる道跡の一部が確認された。

 同市石見銀山課の中田健一遺跡調査係長は「銀山最盛期ごろの鉛塊出土は初めてで、遺構の保存状態の良さの証し。今後も(両地区では)遺構や遺物が出る可能性が高い」と話す。

 見学会の参加希望者は3日午前9時半までに同町の銀山公園奥の臨時駐車場に集合する。少雨決行。問い合わせは石見銀山世界遺産センター、電話0854(89)0183。

2010年7月1日 無断転載禁止