(71)熱中症の予防

脱水症状を起こさないよう水分と塩分を多めに摂取する
屋内や体調不良者も注意

 連日、記録的な猛暑が続き、5月末から2カ月のうちに、全国で2万1千人以上の人が熱中症により救急搬送されたと報じられました。熱中症は以前は日射病といわれ、炎天下の屋外で運動中に起こる事故という印象が強いかもしれませんが、実際には室内にいて死に至るようなケースが発生しています。予防には、熱中症の仕組みを理解し、具体的な対策を実行することが重要です。

 熱中症は、体内の水分が、体温を下げるための汗として体外に大量に出てしまうことから始まります。日中の屋外だけでなく、窓を閉め切ったような温度と湿度がともに高い室内で多く発生します。また、体調を崩して安静にしている人にも同じことが起こります。

 体調不良の人は基本的に食事量が少なく、それだけで脱水傾向にあると言っていいでしょう。屋外での作業、運動中には意識して水分を取っていますので、寝たきりに近い人に重症患者が多いというデータもあります。

 汗をかくことによる脱水に対しては、ある程度多めに塩分をとらなくてはなりません。体液と同じ浸透圧の飲み物だけでは塩分が不足しますので、環境によっては、意識的に濃いめの味付けも必要です。練習が厳しいスポーツでは、選手が天然塩を直接口にしているチームもあります。

 普段から薬を服用している人は、食事量が少なく体内水分が減ると、相対的に薬の成分が濃くなります。脳の機能を安定させる薬などは影響が強くなりすぎることがあり、血液の流れを良くする薬の効果は下がってしまいます。おかしいと思ったら、薬を処方された医師に相談してみることも必要です。

 晩酌をされる人は、いくらか酒を飲むと、それ以上の水分が尿として体外に出てしまうことがあります。飲酒した後には、一杯の水を飲んでおく習慣をつけましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年8月12日 無断転載禁止

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