(72)コアトレーニング

四つんばいになり、腹筋を意識しながら手をひざに向かって近づけたり離したりする
 体の深い部分の筋肉強化

 高齢者の転倒予防からスポーツ選手の運動能力向上まで、重要な要素の一つに「筋力」がありますが、筋力をつけたからといってすぐに体を動かすのが楽になるとか、スポーツの勝敗に効果が目立って現れるわけではありません。また、筋肉を鍛えるトレーニングは面白みが不足しがちで長続きしません。

 手足の筋力をつけることも大切ですが、それ以上に、おなかや背中、股(こ)関節など「コア(体の芯、中心)」といわれる体の深い部分の筋肉を強化することが大事です。体のコアの部分が安定して初めて手足の力が十分に発揮されるためです。

 先日、全日本男子バレーボールのトレーナーの方とご一緒した際、日本代表チームでも全く同様の考えに沿ってコアのトレーニングを行い、世界のトップレベルと戦えるようになってきていると話されていました。また、病院内で行われる脳卒中などのリハビリテーションでも、この考えに基づき、体の中心から外側へと順にトレーニングがプログラムされています。

 基本的なトレーニング方法として、まず両手両ひざを床につき、四つんばいの格好でおなかをへこませ、背中を丸めます。床についた手を交互に動かし、ひざの方へ近づけたり離したりを10回ほど繰り返します。腹筋を意識し、おなかを引き締めた格好を保つのがコツで、ウエスト周りへの効果が出やすくなります。ただし、四つんばいの格好ができない人や、血圧が高いときには行いません。

 コアのトレーニングは普段動かすことが少ない部分の筋肉に使い方を思い出させるという一面があり、運動パフォーマンスのアップだけでなく、腰痛や転倒予防への効果も期待できます。しかし、すでに腰に痛みを感じている方は、まず治療してから筋力強化を始めましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年8月26日 無断転載禁止

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