(73)スポーツリハビリの現場

試合中でも対処できるよう選手はテーピングが入ったバッグを持ち歩く
 トラブル防ぐ多くの役割

 毎年8月末は国体の中国ブロック予選大会があり、いつも医務スタッフとして参加しています。このようなスポーツの現場では、さまざまな依頼や仕事が入ってきます。

 大会の朝、最初に選手と顔を合わせたときは全員に声を掛け、その日の体調をうかがいます。朝食時に重要なのが、食事量が少なかったり食べ残したりする選手がいないか、よく観察することです。選手は言葉にしなくても体調不良や睡眠不足なことがあり、試合中に脱水症による熱中症や、エネルギーが枯渇する低血糖状態を引き起こす危険があるからです。

 ゲーム開始前にはストレッチングやテーピングなどを行います。ストレッチングによって筋肉は一度緩み、興奮が冷めるので、続いてジャンプなどのウオーミングアップを取り入れる必要があります。

 テーピングは、体の動きを止めるのか、動きやすくするのか、個々のリクエストに応えますが、いったんゲームが始まると「もっときつく止めて」とか「加減を緩めて」と訴えてきます。最初に巻く段階でおおよそ予測しておくと、バスケットボールなら数十秒、バレーボールなら選手交代やタイムで指示を受けている間、野球やソフトボールなら攻撃中のベンチ内で対処が可能です。

 ただし、柔道など一部の競技では、試合中、テーピングも含めてトラブルが起こっても、選手が自分で解決しなくてはなりません。簡単に医務スタッフが選手の体に触れると反則(棄権負け)になるためです。関節が脱臼しても自分で入れることがルールです。

 けがをしてしまった場合は▽重症度▽回復までの日数▽選手のチーム内での立場▽今後出場を目標とする大会の重要性とそれまでの日数-などを総合的に考えてリハビリテーションを行います。けがをした部位はもちろん、健康な部分のトレーニングも大切で、選手の意識を高く保つためには密にコミュニケーションを取ることが重要です。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2010年9月9日 無断転載禁止

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