(74)リハビリテーション

リハビリテーションは多くの専門家が協力し合うチーム医療。患者がより良い生活を送れるよう、対話をしながら進める
 「こう生きたい」最も重要

リハビリテーションとは、生活していく上で、さまざまな困難を解決していくための手段や方法の全体を表す言葉です。障がいをもった方や介護が必要な方への治療的な面がよく知られています。現在もその中核は変わりませんが、転倒や寝たきりの予防、引きこもりの予防、スポーツ障害の予防といった予防医学としての新しい側面も認められるようになりました。

 以前は、患者さん一人と担当セラピスト(専門の治療者)のみでの治療が主流でしたが、現在はチーム医療といわれ、リハビリテーションにかかわる専門的な職種が幅広くなってきました。

 病気治療だけでなく、退院後の生活をより良くするために全体の治療方針を出すのが、医師です。理学療法士と作業療法士は、身体や精神機能リハビリテーションの専門家。視能訓練士は視力障がいの方へのリハビリテーションを行い、言語聴覚士や歯科衛生士は、食事での口の動きや言葉の能力を高めます。

 生活全般にわたってケアするのが看護師、直接の身体介護を行うのが介護福祉士(ヘルパー)です。社会福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)は、社会制度の活用や調整を行います。薬剤師は薬についてアドバイスし、管理栄養士と調理師が飲み込み能力や栄養状態に合わせた食事を作ります。

 そのほか、さまざまな介護用品の中から適切な用具を選んで設置する福祉用具のアドバイザー、能力にあった車いすなどを手作りする技術者など。多くの専門家が協力しあって進めるのが、現在行われているリハビリテーションの姿です。

 しかし、リハビリテーションに最も重要で必要なことは、本人や家族の意思です。たとえ障がいや困難があっても、こんなふうに生活していきたい、生きていきたいという希望を声に出していくことが、「成幸(成功)」への一歩となっていくのです。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

    =おわり=

2010年9月23日 無断転載禁止

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