(39)腎臓病が心配/検査受け生活習慣に注意

松江赤十字病院膠原病・腎臓内科 漆谷義徳部長
 相  談
 父親が腎臓病で人工透析を受けています。自分も腎臓病になるのではないかと心配です。

(37歳、男性)

 アドバイス

 松江赤十字病院膠原病・腎臓内科 漆谷義徳部長

 人工透析が必要になる腎臓病の主な原因としては、高血圧、糖尿病、慢性腎炎が考えられ、これらに遺伝性がまったくないとは言えませんが、親が透析を受けているからといって、子どももそうなる可能性が高いとは言えません。ただ、高血圧や肥満、糖尿傾向の人はリスクがあり、自覚症状もないので、不安があれば、検査を受けるといいでしょう。

 検査は尿、血液、腹部エコー(超音波)の3種類が必要です。尿は潜血とタンパクを調べ、両方がプラスの場合は、腎炎の疑いがあります。タンパク尿だけなら、基礎疾患として持つ高血圧や糖尿病のために腎臓の障害が生じていることが考えられます。血液検査ではクレアチニンという物質の値をもとに腎臓の状態を判定しますし、エコー検査では多発性嚢胞腎(のうほうじん)や腎の形成不全などがあるかどうかを調べます。

 いずれの検査でも異常がなければ、その時点では心配ないと言えますが、腎臓病は生活習慣病と言っても過言ではなく、職場などで健康診断を定期的に受けてチェックすることが大切です。

 というのも、全国で毎年約3万人が新たに人工透析患者となっていますが、このうち、生活習慣が関係しない慢性腎炎の患者は8千人程度で、生活習慣病の高血圧と糖尿病に起因する腎臓病の患者が全体の半数以上を占めるようになってきているからです。

 働き盛りだったころから悪しき生活習慣を改めずにいたために、60、70歳代になって透析が必要になるケースは少なくありません。1回4、5時間の透析を週3回、命ある限り続けなければならないことは、生活の質を大きく下げることになります。

 若いころから、カロリーや塩分を控える▽適度な運動をする▽標準体重を維持する▽たばこは吸わない-など健康的な生活を心掛ければ、腎臓は守ることができます。

2010年11月25日 無断転載禁止