(41)特発性血小板減少性紫斑病/専門医受診して確認を

 ■相 談■

 健康診断の血液検査で血小板数が1マイクロリットル当たり58000に減少しているとのことでした。白血球やヘモグロビン数は正常で、特に症状もありません。(55歳、女性)


 ■アドバイス■

松江赤十字病院 血液内科 遠藤 章 部長
松江赤十字病院血液内科 遠藤章部長

 血小板数だけが少ないという結果から、まず考えられるのは特発性血小板減少性紫斑病(ITP)です。病院で専門医による検査を受けて確かめることをお勧めします。

 ITPは、原因不明の自己免疫病の一種で、血小板に対する自己抗体ができてしまい、自分の免疫力によって血小板を壊してしまう病気です。

 血小板は止血の役割を持つことから、減少の度合いが大きくなると、出血しやすくなります。手足をどこかにぶつけたときにすぐあざができたり、赤い点々のような点状皮下出血が見られたりします。鼻血が止まらないといった症状もあります。
 血小板数の正常値は15万以上で、相談者のように5万以上であればITPとしては軽く、症状もない場合が多いので、それほど治療を急ぐ必要はありません。

 ただ、正常値以下の状態が続けば、症状がなくても気になるだろうし、簡単な方法で改善できるなら、治したいと思うかもしれません。

 その場合に考えられる治療法が、胃の中のピロリ菌の除菌です。もし患者さんがピロリ菌を保有していれば、除菌をすることで血小板数が正常域まで改善することがあります。有効率は約半分で、ピロリ菌陽性の人に限られますが、効けば胃がんの防止にもなって一石二鳥です。

 もし、血小板数が3万、2万と減っていくようだと、出血傾向も強まるので、ステロイドホルモン服用の治療を行います。改善しない場合や副作用のために長期治療が難しい場合は、脾臓(ひぞう)を摘出する手術、それも無効なときは、免疫抑制剤を用いる治療を行うことになります。

 この病気は国の特定疾患に指定されており、治療内容によっては医療費の自己負担が減免されます。

2010年12月23日 無断転載禁止