(43)慢性心不全/日常の生活管理が大切

松江赤十字病院 循環器内科 城田欣也部長
 相  談

 慢性心不全と診断されている70歳の夫が、調子を崩して入院しています。近く退院しますが、退院後の生活は何に気を付ければいいのでしょうか。


 アドバイス

 松江赤十字病院 循環器内科 城田欣也部長

 心不全とは「心臓の働きが不十分な結果、生じた体の異常状態」の総称です。体に水分がたまって各臓器が膨れ上がる状態(うっ血)と、すべての臓器で血液が不足する状態(循環不全)があり、主な症状は息切れ、足や顔のむくみなどです。

 慢性心不全は、すべての心疾患(虚血性心疾患、心筋症、弁膜症など)の終末的な病態で、根治することはほとんどありません。また、増悪を繰り返すたびに心機能・全身臓器機能が悪化するので、継続的な内服治療はもちろん、日常の生活管理がとても重要になります。

 日々の生活で気を付けることは、まず水分・塩分の制限。ほとんどの患者さんは、尿量を増やす利尿剤を投薬され、体内の水分貯留を防いでいますが、水分と、体に水分をためる方向に作用する塩分の摂取が多いと、利尿剤を飲んでも水分貯留は防げません。

 塩分摂取は1日6グラムを目安にしてください。一方、水分は制限しすぎると、脱水による循環不全に陥る危険性があるので、体内水分量が適切な時の体重(基準体重)を知っておき、それを目安に摂取量を考えましょう。

 喫煙と飲酒は原則禁止です。体を動かす際は、息切れしない程度に。重たい物を持ち運ぶなど、持続的に力を入れることは、心臓の負担になるので、やめましょう。

 心不全治療の内服薬は、繊細な調節の上で処方されているので、飲み忘れやだぶっての服薬は危険です。高齢の患者さんの場合は、家族が管理するといいでしょう。自己判断で服薬をやめることも、絶対にやめてください。

 風邪や急激な温度変化は心不全悪化を招きます。寒い所に急に出たり、熱すぎる風呂に入ったりすることも避けましょう。

 慢性心不全の患者さんは、病気と生涯付き合わなければなりません。少しでも入院を減らし、より良い生活を送るために、以上のことに注意してください。家族の方々の協力も不可欠です。

2011年1月27日 無断転載禁止

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