<17>城下に時知らせた太鼓

江戸時代、城内に時刻を知らせていた「刻の太鼓」=松江市殿町、松江城
 「刻(とき)の太鼓」。松江城の天守には、そう名付けられた太鼓がある。渦巻きのような「巴(ともえ)」の模様が描かれた面の直径は110センチ、胴の幅は95センチ。城内に時刻を知らせるために打たれていたという。

 説明文によると、太鼓は松江城二ノ丸の太鼓櫓(やぐら)に置かれ、「毎日登城の時刻を知らせ、非常呼集のときにも使われた」。

 江戸時代の時刻は、日の出~日没を昼、日没~日の出を夜とし、それぞれを6等分する不定時法で決められ、1933(昭和8)年発行の「郷土資料島根叢書」には、太鼓櫓の「巨大なる兵鼓」を「時打の番人」が打ち鳴らし、城下に時を知らせていたとある。

「刻の太鼓」が置かれていた太鼓櫓。10年前に復元された=松江市殿町、松江城
 その後、明治維新で松江城が廃城になると、有志が太鼓を買い取り、阿羅波比(あらわい)神社(松江市外中原町)に寄贈。現代に受け継がれた。

 太鼓櫓は10年前、二ノ丸の北東角に復元され、櫓内には「刻の太鼓」の模造品が展示されている。

2011年3月7日 無断転載禁止