(46)がんのリハビリ/生活を豊かにする治療

松江赤十字病院 リハビリテーション科 笠木 重人部長
 松江赤十字病院 リハビリテーション科 笠木 重人部長

 質  問

 がん患者のリハビリがあると聞きました。どういうものか、教えてください。


 回  答

 一般にリハビリテーションには機能回復訓練のイメージがある一方、がんには「不治の病」との印象を持つ人も多いので、両者はなかなか結びつかないかもしれません。しかし、がんの患者さんに対するリハビリテーションは近年、多くの医療機関で行われるようになりました。

 その内容は、訓練というイメージではなく、日常の生活動作や生活の質の維持・改善を図り、前向きに生きる方法を一緒に考えること。「患者さんの生活を豊かにするための治療」と言えます。

 背景には、医学の進歩に伴い、がんが「不治の病」から「治る病」に変わってきたことがあります。完治するがんが増えてきましたし、完治が困難な場合でも、5年生存率は以前に比べて伸びています。がんは「共生する病」になりつつあります。

 がんと共に生きる時間が長くなると、がんそのものの症状や治療に付随する症状に悩むことも多くなります。例えば、だるさ、息切れ、むくみ、筋力低下、関節のこわばり、話しづらさ、飲み込みの難しさなどで、これらの症状を改善したり、楽にしたり、上手に付き合っていけるようにしたりするのが、がんのリハビリテーションです。

 特別なことを行うわけではありません。体の動かし方や呼吸法など、従来のリハビリ治療で蓄積してきたノウハウを最大限に活用して、それぞれの症状に対応します。

 診断後早期に、予想される症状や機能障害に対して予防的に対応するものや、症状が出た後に回復を図るためのもの、機能を維持するためのもの、末期の患者さんに心地よい生活を送ってもらうために行うものなど、すべての病期においてリハビリを行うことができます。

 当院の場合は、患者さんご本人の意思を尊重しながら、主治医の指示で行っています。

2011年3月10日 無断転載禁止

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