<18>城下町見下ろす望楼

ライトアップされた夕暮れ時の松江城=写真はいずれも松江市殿町
城下町や宍道湖を見渡すことができる天守最上階
望楼式の最上階を備える松江城天守(資料)
 松江城天守の最上階に上がると、真下に広がる城下町をはじめ、宍道湖や枕木山、遠くは大山、中国山地まで、360度を見渡すことができる。壁がなく、総窓で四方を展望できる、こうした最上階は「望楼式」と呼ばれ、現存天守の中で珍しい。

 望楼とは、遠くを見回すための櫓(やぐら)のこと。松江城は入り母屋造りになっている下層の建物の上に、望楼の機能を持つ上層の建物が載った形であることから、「望楼型天守」と呼ばれる。五重塔のような規則的な構造の「層塔型天守」が後に出現し、望楼型は天守出現期の古い構造とされる。

 黒壁に覆われ、見れば見るほど、ずっしりとした重厚感のある望楼型天守の松江城。高さ22メートルの天守の最上階は「天狗(てんぐ)の間」と呼ばれる。東西約9メートル、南北約8メートルのこの部屋は、戦になったときに城主が全軍の指揮を執るための「望楼」だったが、もちろん、その機能を果たすことは一度もなかった。

 いま、大勢の観光客がここを目指す。城下町・松江を一望する絶好のスポットである。

2011年3月21日 無断転載禁止