(47)かかりつけ医/すみ分けで医療機能維持

松江赤十字病院 秦 公平院長
 松江赤十字病院 秦 公平院長

 質  問

 最近、「『かかりつけ医』を持ちましょう」とよく言われますが、病院に行ってはいけないのでしょうか。


 回  答

 島根県では、病院に勤務する医師の不足が近年、顕著になっています。当院も同様で、現在約110人の医師がいますが、どの科もぎりぎりの状況。何とか診療機能を維持しているところです。「かかりつけ医を持ちましょう」という呼び掛けの背景には、こうした勤務医の不足があります。

 というのも、総合病院としては、重症で入院治療や手術が必要な患者さんに重点を置きたいという思いがあるからです。開業医では診ることができない、そういった患者さんを診ることが、病院の使命だと言えます。

 ところが、慢性の病気や軽い症状の患者さんが病院に大勢来られますと、外来は非常に忙しくなります。勤務医の人数に余裕がないから、一人一人の負担は確実に増加。さらに、医師は外来診療の後に、入院患者さんを診ますので、外来が忙しくなると、その分、入院患者さんを診る時間が少なくなります。

 実際、夕方まで外来診療に当たり、その後、何時間もかけて病棟を回る医師もいます。もうへとへとで、そういう仕事を続けていると、いつかいやになって病院を去ってしまう事態も起こりかねません。

 救急外来も同じで、軽症の患者さんで忙しいと、当直の医師は疲れが増して、ミスが起きる可能性も高くなります。

 こうした状況を回避するために、慢性の病気や軽い症状の患者さんは開業医の先生方に診ていただき、私たち病院は病状の重い患者さんや緊急性のある患者さんに力を注ぐ。すみ分けというか、機能分担が必要になってきているということです。

 身近な開業医の先生が「かかりつけ医」であれば、患者さんの生活スタイルや家庭状況をよく知っていらっしゃいますから、その人に合った治療ができますし、患者さんもいろいろなことが気軽に相談できるのではないでしょうか。

 地域の医療機能を維持していくために、みなさんもご協力ください。

2011年3月31日 無断転載禁止

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