石見銀山採鉱で現存する最大の鉱石を運搬

石見銀山で採鉱され、島根県立三瓶自然館に運び出された現存する最大の鉱石=大田市大森町、佐毘売山神社
 世界遺産・石見銀山遺跡で採鉱され現存する最大の鉱石(約130キロ)が9日、大田市大森町の佐毘売山(さひめやま)神社から約4時間かけて20キロほど離れた島根県立三瓶自然館(同市三瓶町)に運ばれた。鉱石は1960年代に所在が不明になったが、約5年前に同神社氏子が存在を確認していた。44年ぶりに日の目を見た鉱石は同自然館で16日から始まる夏の企画展で公開される。

 鉱石は長さ約100センチ、幅約50センチ、厚さ約30センチ。表面に光る部分があり、金や銀、銅を含んでいるとみられる。明治時代初期に同遺跡の中核地域西部にある永久坑で掘り出され、銀山の守り神が祭られた同神社に奉納され、境内に置かれていた。

 その後、盗難防止のため、1967年に場所を移した後は所在が不明だったが、同神社の氏子らが探したところ、神社の拝殿と本殿をつなぐ階段部分の床下にあることが判明。氏子の協力で同自然館で開催される夏の企画展「鉱物~きらり。地球の造形美」での公開が決まり、運び出さることになった。

 運搬作業は同市内の造園業者が行い、5人で慎重に持ち上げていったん境内に移した。同自然館の中村唯史学芸員(43)が大きさなどを調べた後、人力で神社下の道路に運び、軽トラックで県立三瓶自然館に運んだ。

 鉱石はしばらく同自然館で保管され、専門家を招いて詳しく調査する予定。中村学芸員は「鉱石を詳しく調べれば、永久坑で当時何が出ていたか分かり貴重な資料になる。多くの人に見てもらいたい」と話した。

2011年7月10日 無断転載禁止