レッツ連歌(下房桃菴)・2月9日付

(挿絵・FUMI)
 まずは、新春特集のクイズの結果から―。

 ダントツに多かった解答は「どっちらも好きでオロチはしてやられ」、その次が「オロチ酩酊十六の目がすわり」でした。桃菴センセ、だいぶ誤解されておいでのようで。が、どちらも正解ではありません。

 センセの自信作は、実は「鎌首を上げるとオロチつんのめり」。正解者は全解答者のわずか一割でした。シテヤッタリ!

 でも、そういわれれば、そんな気もするでしょう。ときどきこんなことを思いついては、ひとり悦に入っていらっしゃるのが桃菴センセなのでございます。

 ま、なんにしろ、ご協力ありがとうございました。また遊んでくださいね。

           ◇

 目が覚めてから床を出るまで

ポチ公は前足上げて吠えまくり (松江)中西 隆三

学校へ行かなくてよいワケ探し (江津)江藤  清

三十年乾布摩擦は怠らず    (大田)清水 すず

もう一度暗記したこと言ってみる(益田)吉川 洋子

イチローの攻略法が浮かばない (出雲)行長 好友

もう一度夢の断片寄せ集め   (大田)沢江 洋子

炊飯器オンにしたかと気になって(出雲)神門  晃

歳とれば我慢する間のなくなりて(益田)可部 章二

どうやって帰ってきたか考える (大田)掛戸 松美

ふんぎりのつかぬ血液型かしら (浜田)七転 八起

見守りの子らの元気な顔浮かべ (松江)持田 高行

リモコンで暖房入り飯も炊け  (松江)森  笑子

言い訳はできぬ大きな世界地図 (出雲)遠藤  伸

キッチンの音も苦になる二日酔い(浜田)大井 一弥

ハッハッハー孫が見てたか盗み酒(大田)川合 坊や

見た夢は嫁には言えぬことばかり(益田)増野  充

健康の極意は腹式呼吸法    (益田)渋谷秋茄子

腰痛になると始めるストレッチ (松江)多胡 誠夫

ウインタータイムもあっていいものを
               (松江)渡部 靖子

そういえば今日生ゴミの収集日 (松江)木村 敏子

飯抜きにするか一バス遅らすか (松江)村田 欣子

ハイドンのソナタ一曲聴き終わり
           (長野県・大東)金原 怜子

朝練の鬼のコーチの顔浮かび  (松江)野津 重夫

九九唱えボケていないか確かめる(松江)田中 堂太

爪先でアンカのコードたぐり寄せ(益田)石川アキオ

ああ雨かあの服やめてどれにしよ(益田)竹内 良子

今日こそは大きな鯛を釣り上げる(雲南)板垣スエ子

急くこともなく毎日が日曜日  (大田)杉原サミヨ


           ◇

 「どうやって帰ってきたか」―、うまいですね。だれかが送ってくれたのか、自分でタクシーを呼んだのか、まったく覚えがない。が、そのこと自体は実はどうでもよくって、なにか恥ずかしいことでもしなかったか、そちらのほうがずっと気になるものだと、人からは聞きました。

 なににせよ、「酒」ということばを伏せているところが、しゃれた句作りになっていますね。

 「アンカのコード」は「爪先で」というところに感心しました。

 アンカって、夜中に暑いかして、たいがい裾のほうに蹴ってしまっているものですね。明け方寒くなって、足で引き寄せようとモゾモゾするうち、だんだん遠くへ行って、布団の外へ出てしまう。で、コードをたぐり寄せるわけですが、そういうときって、アンカはたいがい布団のヘリにひっかかっている…。そんな細かいところまでアキオさんはおっしゃっていませんが、言外にみごとに表現されております。

           ◇

 さて、次の前句は、

  雨のしわざか風のしわざか

 なんのことだか知りませんが、これに楽しい五七五を付けてください。

(島根大名誉教授)

2012年2月9日 無断転載禁止

こども新聞