レッツ連歌(下房桃菴)・4月12日付

(挿絵・FUMI)
 益田市で開催の「室町文化フェスティバル」の一環として、今年も「連歌の集い」が、五月四日、島根県芸術文化センター「グラントワ」で開かれることになりました。

 まずは、十二時三十分から、「賦物(ふしもの)のはなし・ふたたび」と題して、私が前座をつとめさせていただきますが、これは大したネタも用意しておりません。

 引き続いて連歌の実作会。これが楽しいんですよね。実作というと尻込みされるかたも多いのですが、なに、ふだんのレッツのノリで、みんなでワイワイやるだけのことです。

 その後、会場を移して、四時すぎから懇親会。これがまた、実作会より数倍おもしろい。ほんとうは、懇親会を先にやれば、全体の雰囲気はさらによくなると思うのですが、お酒が回るとメチャクチャになる恐れもありますから、いたしかたありません。

 とにかくみなさん、一度はのぞいてみてください。なお、詳しくは、ますだ連歌クラブ代表の石田三章さん(携帯〇九〇‐七五九三‐五四四五)まで。

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 引っ越しの荷物に混じる三輪車

ようやく咲いた梅に鶯     (出雲)福島 英子

ママに内緒でボクのお願い   (益田)竹内 良子

公園デビューの必須アイテム  (益田)可部 章二

壊れたパソコンございませんかァ(雲南)佐藤 風子

家も郷土も泣く泣くに捨て   (美郷)吉田 重美

瓦礫にできぬ孫の思い出    (松江)村田 欣子

昔足こぎ今は電動      (出雲)宝利ヒサユキ

あちら残せばこちら残せず   (浜田)三隅  彰

久々に聞く甲高い声      (松江)森広 典子

チンパンジーが人気のサーカス
            (長野・大町)金原 怜子

うちの息子に狙ってたのに   (益田)吉川 洋子

そのうち孫が乗ると言い切る  (松江)花井 寛子

コマ付き自転車早く買ってよ  (松江)福田 町子

落ちても惜しくない貰い物   (出雲)伊藤 令一

夜の明けぬ間に声をひそめて (津和野)岡田 忠良

チビライダーの今日が旅立ち  (益田)黒田ひかり

庭が広いと妻を説得      (益田)石田 三章

新品ねだる次男説得      (浜田)大井 一弥

欲しいとだれも言ってくれない (松江)岩田 正之

無重力でも乗るつもりです   (浜田)園山 暢男

まだ子作りをするつもりかなァ (出雲)矢田カズエ

捨てられもせず使われもせず  (美郷)山内すみ子

最後に積んで最初に降ろして  (浜田)松井 鏡子

行っちゃダメだと泣く隣の子  (松江)木村 敏子

あのうちペットのおサルいたはず(松江)木村 更生

めおと双子で色違いです    (益田)石川アキオ

ボクの宝と言って聞かない   (松江)松田とらを

期待を背負う限界集落     (松江)高木 酔子

片づいてからくれればいいのに (出雲)長島 涼子

隣の子供が捜しているだろ   (大田)柴 わん子

パパとお別れママはルンルン  (雲南)岩佐美恵子

軽トラは行く菜の花の土手   (益田)渋谷秋茄子


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 欣子さんの「孫の思い出」―、作品そのものはフィクションですが、実際にこういう悲しい体験をなさったかたも、大勢いらっしゃることと思います。

 暢男さんの「無重力」は、いったいどこへ越そうというのか、まるでナンセンスな作品。

 重い句も軽い句も、同じように作れるのが連歌のいいところなのですね。

 なお、アキオさんの「めおと双子」は、男女の双子のことだそうです。

           ◇

 次の前句は、

  望遠鏡を逆さまに見る

 私はときどきやってみるのですが、なかなかおもしろいものですよ。

 付句は五七五です。

     (島根大名誉教授)

2012年4月12日 無断転載禁止

こども新聞