レッツ連歌(下房桃菴)・6月14日付

挿絵・カールおじさん
 連休が明ければという空手形

相も変わらぬ交通渋滞     (松江)木村 敏子

話題むりやり竜巻にフり    (益田)石田 三章

庭の雑草伸びる一方      (松江)水野貴美子

いつまで居座る里帰り客    (飯南)塩田美代子

去年の暦にすり替えておく   (松江)学園 花子

シッペ返しで残業の山     (益田)兼子 哲彦

党内外で意見対立       (益田)竹内 良子

ポチにも愛想つかされたパパ  (益田)吉川 洋子

記憶にないと言えば済むこと  (益田)小倉  豊

アラフォーの身で甘い考え   (江津)岡本美津子

言い間違いか聞き間違いか   (浜田)園山 暢男

ママが気を揉む試験勉強    (松江)多胡 誠夫

すんまへんなァあきまへんなァ (大田)丸山 葛童

禁煙グッズだけ増えていく   (益田)石川アキオ

次の言訳用意してある     (松江)本田  章

田植が済んでいたらのお話   (大田)福田 葉摘

ウチだけ残る水を張らぬ田   (益田)可部 章二

金環日食見て我慢しな     (松江)渡部 靖子

ドリームジャンボ買ってみました(出雲)矢田カズエ

ウエディングドレス用意しました(松江)森広 典子

一発ガーンと怒らなきゃパパ  (松江)木村 更生

二度までは効くオオカミが来た (美郷)源  瞳子

首に縄つけ医者に連れてく   (大田)柴 わん子

保育所入所は離婚と引き替え  (出雲)柳楽 撫子

せめてお花の鉢送りましょ   (松江)花井 寛子


           ◇

 そんな奇策がありましたか、花子さん。もっとも、成功するとはとても思えませんが…。たとえ成功したところで、このテで何日生き延びられるのでしょうか。

 葛童さんの句、「すんまへんなァ」はよいとして、「あきまへんなァ」は、まるで人ごとですね。実はぜんぜん謝っていないという、そのしたたかさにホレました。

 前句の「空手形」がどんな約束だったのかは分かりませんが、「金環日食見て我慢しな」とは、これまたすごい開き直りですね。なんの関係もないと思うのですが、おそらく。この心臓の強さにも感服!

 ところで、靖子さんの句を見ていて、ひとつ気になったのは―、

 今度の日食、新聞でもテレビでも、たしかに「金環日食」と呼んでいましたね。「金環食」のほうがふつうの言いかただとばかり、私は思っていましたが…。

 石川達三に『金環食』という小説があり、これを原作にした同名の映画が評判になったことも、年配のかたはご存じだと思います。

 わが国最大の国語辞典『日本国語大辞典』で「金環日食」を引くと、「金環食に同じ」とだけあって、詳しい説明はその「金環食」のほうに出ています。

 それが、国立天文台のホーム・ページでは、「金環日食(または金環食)」と逆転しているのですね。このあたりが影響したのでしょうか。

 どちらでもいいようなものですが、ことばが変化する現場に立ち会ったような、ちょっと愉快な気分になりました。

 ついでにいえば、今日の同じ紙面に出ている、第十一回「連歌甲子園」の課題2の前句は、当初「金環食はもう見られない」を予定していたのですが、急きょ「金環日食」に変えて、上下を逆転させたものです。これもどちらでもいいようなものですが、ま、桃菴センセの「こだわり」ですね。

           ◇

 次の前句は、

  闇を切り裂く雷の音

 理屈からいえば、闇を切り裂くのは雷の光のほうかもしれませんが、気分で詠んでみました。

 この句に五七五を付けてください。

2012年6月14日 無断転載禁止

こども新聞